星野はわずかに眉をひそめ、冷淡で残酷な瞳が細くなった。
だが、ほんの一瞬後、胸の中の悲痛が再び優勢になる。
こんな女、同情する価値もない!!!
星野は身をかがめ、地面に落ちていた破れた服をひょいと拾い上げ、私に投げつけると、振り返りもせずにその場を去った。
どれくらい時間が経ったのか分からない……
全身に走る痛みで、ぼんやりしていた意識が次第に集まってくる。
私はゆっくりと目を開けた。
目に映るのは果てしない闇。まるで私を徐々に呑み込み、永遠に救われなくするかのようだった。
私は痛みに耐えながら、うつむいて傷だらけの自分の体を見る。
腫れ上がり赤くなった肌の一寸一寸が、無言で私に星野の暴虐と残酷を訴えてくる。
必死に体を支え、震える手でゆっくりと激しく痛む腹部に触れた。
触れたのは、粘つく液体。
心臓が一気に締めつけられる。私は手をゆっくりと目の前に持ち上げた。
赤い!血だ!
その瞬間、涙が堰を切ったように止まらず溢れ出す。
四年前、私が守れなかった小さな命。
四年後の今……やはり守れなかった!
絶望が完全に私を飲み込んだ。
私はふらつきながら、チューリップの花びらの残骸の中から立ち上がった。
かつて裏庭にチューリップを植えた時、私はいつか星野との間にできた子供と、家族三人でここでピクニックできるかもしれない、なんて夢見ていた。
だけど、かつて私が希望に満ちたこの場所で、星野がまたしても私の僅かな希望を無情に踏みにじったのだ。
私の赤ちゃんは再び私のもとにやってきたのに、今度も守りきれなかった!
私は堪えきれず、血を吐くような叫び声をあげた。
「星野侑二!」
どうして何度も何度も私のすべてを壊すの!
長い間抑え込んでいた怨嗟が、火山のように心の奥底から噴き出した。
お母さん、お父さん、お兄ちゃん……そして赤ちゃんたち!
五つの命を、生きたまま奪われた!
彼は私に、五つの命の借りがある!!!
私は涙をぬぐい、生涯最大の憎しみをその目に込めた。
バラバラに壊れそうな体を引きずりながら、主屋の二階へと向かった。
一糸乱れぬスーツ姿で、圧倒的なオーラを放つ星野侑二が、ちょうど書斎から出てきて、私の憎しみに満ちた視線とぶつかった。
彼は眉をひそめ、重々しい足取りで私の前に来ると、冷たく言い放った。
「お前はもう何度も俺に抱かれてるのに、まだ処女ぶってるふりか?」
私は顔を上げた。
沈黙の中、私は突然、星野ににっこりと微笑んだ。
「星野社長のおっしゃる通りです。私みたいな下賤な女、あなたの前で取り繕う必要なんてありませんね。」
そして――
私は自分から一歩近づき、彼の首に腕を回し、自ら彼の顎にキスをした。媚びた態度で、
「さっきは物足りなかったでしょう?もう一度、しっかりご奉仕しましょうか?」
星野は明らかに一瞬驚いた様子だった。
その隙に、私は素早く彼のネクタイを解き、続けてシャツの一番上の三つのボタンを外した。
たちまち、星野の引き締まった胸元があらわになる。
星野は少し呆然とし、瞳に異様な光を宿した。
「今度は何を企んでいる?」
私は無邪気にウインクし、明るく笑った。
「私、吹っ切れたんです。」
私は積極的に彼の胸に顔をすり寄せた。
「ずっとあなたのこの体に憧れてたんです。今やっと、こんなに私を満たしてくれたんですから、不満なんてありませんよ。」
私はゆっくりと目を上げ、冷徹で王者のような彼の顔をうっとりと見つめた。
星野はその視線にしばし呆然とした。
彼女が自分を恋い慕うまなざしを、最後に見たのはいつだっただろうか。
星野は思わず、私の頬に手をそっと伸ばした。その仕草は、ほんのわずか――優しささえあった。
だが、次の瞬間――
私は手のひらに隠していた、鋭いチューリップの茎を取り出し、全身の力を込めて、彼の心臓めがけて突き刺した。
星野は信じられないという顔で、胸に突き立てられた茎を見つめた。
私の顔からは陶酔が消え、替わりに死をも覚悟した決意が浮かぶ。私は歯を食いしばり、声を漏らした。
「お前みたいな悪魔、この手で殺してやる!」
もし妊娠していなかったら、とっくに彼と差し違えていたはずだ。
だが、私の壊れかけた体は、結局星野の力に抗えなかった。
星野は私を強く突き飛ばした。
私は糸の切れた凧のように壁に激突し、鈍い音を立てて床に崩れ落ちた。
星野は私を睨みつけ、不満げに言う。
「お前、俺を殺そうとしたのか!」
私は精一杯の力を振り絞って頭を上げ、叫ぶように吠えた。
「お前が私のすべてを壊した!なぜ殺しちゃいけないの!」
星野侑二は狂ったように笑いだした。
そして、何のためらいもなく、私が彼の心に突き刺した茎を引き抜いた。
血が刺し傷から滴り、たちまち白いシャツを真っ赤に染めていく。
星野侑二は大股で私に近づき、私を地面から持ち上げると、その血に染まった茎を私の喉元に向け、冷たい目で見下ろした。
「本気で、俺がお前を殺さないとでも思ったか?」
私は笑いながら顔を近づけ、ささやく。
「今ここで私を殺さなければ、私はどんな手を使ってでも、お前を殺してやる。」
星野の指に力がこもる。
茎が瞬時に私の肌を貫き、血が首を伝って流れる。
だが、茎が私の喉を完全に貫こうとしたそのとき、星野は突然手を止めた。
彼は残忍な笑みを浮かべた。
「なぜお前を殺さなきゃならない?」
私は星野の陰険な目を睨みつけ、心の中でただ憎しみが渦巻く。
「この悪魔、また何を考えてるの!」
星野侑二は私の喉から手を離し、ゆっくりと私のお腹に手を伸ばした。
「お前のせいで、夜江は子供が産めなくなった。」
あの転落は、小林が私を陥れるため、自作自演していた茶番だったはず。
まさか、自分で自分の首を絞めることになるなんて!
私は嘲笑った。
「それでどうした、彼女が可哀想になったの?」
星野は私の耳元に顔を寄せ、まるで悪魔の囁きのように言った。
「罪を犯したら、償わなきゃいけない。
俺はお前を使って彼女に子供を返してやるさ。」
私が反応する間もなく、星野は私を担ぎ上げ、そのまま書斎のベッドに放り投げた。
そして、私の髪をつかみ、本棚の方を無理やり見させた。
星野は、いつの間にか私の両親の骨壺をここに置いていた。
私はまた、両親の骨壺で脅すつもりかと思ったその時――
彼は私を押さえつけ、何の前触れもなく、無慈悲な略奪を始めた。
私は崩壊し、彼に向かって叫ぶ。
「星野侑二、お前、本当に人間か!」
星野は見下ろしながら言う。
「ふん。一番よくわかってるのは、俺自身だ。」
私は必死にもがき、彼の魔の手から逃げ出そうとした。
だが、力の差は絶望的だった。
もともと壊れかけていた体は、とうとうバラバラになった。
ほんの数回で、太ももから血が流れ出した。
星野は私の惨状に眉をひそめ、冷たく抜け出した。
そして、ゆっくりと身をかがめ、私の顔に近づけ、狂気のような声で囁いた。
「何度でもやるよ……お前が子供を宿すまで、何度でもだ。」