サングラスかけた、うちのじいちゃんかっこいい!
まだ腰は曲がってないし、白髪だけどまだ禿げてないし、なかなかの
『カッコイイ――!』
『筋肉すごい』
『何者?』
「じいちゃん、カッコイイってコメント来てるよ!」
じいちゃんに、カッコイイと伝えるとちょっと照れたようだ。サングラスを直すしぐさをした。
「そ、そうか……」
『照れたお顔が、可愛いですね!』
『いいキャラしてる』『推します!』
ファンができた? なんにせよ、今の所嫌なコメは来てない。
「おや?」
じいちゃんが
「何かあった?」
俺が話しかけると、じいちゃんは屈んで何かを拾った。
「これはたぶん、水晶じゃ」
きらりと光る透明な結晶は、手のひらに乗るほどの太さ。高さ三十センチほどの五角形の柱で、途中で半分に割れたような感じだった。
「こっちにもある」
じいちゃんは少し移動して、生い茂った雑草を刈った。
『あれも水晶じゃない?』
『もう片方も割れている感じだな』
コメを見て、雑草の刈られた方を見ると水晶の柱が土に埋まっていた。もう片方も割れている。
『何かの
『やば!』
『それだったらヤバいなw』
「……」
俺はコメントを見て、じいちゃんの方を見た。目の前は二メートルほど土が盛り上がっていて、たくさん雑草が生えている。じいちゃんは雑草を一生懸命に鎌で刈っていた。
「おい! 何か穴があるぞ!」
じいちゃんが俺の方へ振り向いて、話しかけてきた。雑草が刈られて無くなった所に、近寄って見てみると確かに
『え!? マジ!?』
『穴!?』
『昔の防空壕かしら……?』
『中、少しのぞいて――』
『何の穴だろう?』
『wktk』
『危ないよ――』
いきなりコメが増えてきた。
「じいちゃん、それ防空壕じゃないかってコメがきているけど……」
じいちゃんは「それはない。防空壕を作ったなんて聞いてないし、こんな田舎に飛行機は来てない」と言った。確かに。この辺は戦争の被害はなかったはず。
「……中は広そうだ。奥から風が来ているから、やばいガスとか、なさそうだ」
そう言ってじいちゃんは穴の中へ、入っていった。
「ちょっと! じいちゃん、危ないよ!」
『危険じゃない? 大丈夫!?』
『やめといたほうがいい!!』
『小鳥を先に飛ばさないと!』
『勇者w』
いつの間にか視聴者さんが増えていた。今までで最高人数の視聴者さんだ。登録人数も増えた。
じいちゃんは一人で先に進んで行った。
「もう! 俺も中へ入る!」
じいちゃんを追って中へ入ると、なぜか少し明るい。
「え……? なんか明るい?」
『ヒカリゴケか?』
『不思議だ』
『これ、人工的なやつじゃね?』
『引き返した方がいい』
『先、進んでw』
『危ないようだったら、すぐ引き返す。もしかしたら俺のご先祖さんが作ったものかもしれないし……探索してみるよ』
俺は観てくれている視聴者さん達へ話しかけた。
『お――! 無理すんなよ!』
『気をつけて進め』
『大丈夫?』
『匂いのないガスがあるから気をつけて』
『ドキドキするw』
:
:
すごい速さで流れていくコメントを見るのは初めてだった。心配している人もいるので慎重に行く。中は洞窟のようで岩壁は確かに、人工的に掘られていた。
『高さ二メートル、横も二メートルくらいかな? 結構奥まで続いている』
じいちゃんは先に行ってしまったので、速足で追いかけた。
配信しながら歩いて、それから速足で奥へ行くとじいちゃんがいた。
「あ、じいちゃんがいました!」
じいちゃんの姿を見つけてホッとした。
『じいちゃんと孫、いいね』
『仲良し』
『俺の死んだじいちゃん思い出した』
『じいちゃんと孫の夏休み』
『田舎の夏、いいよね……』
じいちゃんが壁に向かって立っていた。そこには岩のテーブルがあって古い紙を束ねた本らしきものが置いてあった。
「なに……、それ?」
よく見ると壁に、何か書かれた掛け軸のようなものが飾られてあった。これは映さない方が良いかな……。
『なんだ?』
『やっぱり人工物だったか……』
『野菜とか保存していたおいた洞窟とか?』
『変なとこじゃなくて良かった』
『ドキドキしたけど、ご先祖さまの洞窟か……』
じいちゃんはその古い本を読んだらしい。眉間にしわを寄せていた。
俺は様子のおかしいじいちゃんに、話しかけようとした。するとじいちゃんは突然、岩壁を押した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
岩壁の一部が扉のように、横へ開いた!
「ええええ――!?」
『秘密の扉じゃん!』
『隠し通路か、秘密部屋!?』
『え、おかしいって!』
『面白くなってきました――!』
どんどん登録人数が増えていく! コメも滝のように流れていって読めないほどだ。
「ほれ! これを身につけろ」
じいちゃんが扉の中へ入って何かを持ってきた。そして俺にバスローブみたいな着物のようなものを渡してきた。
俺が状況を把握できないまま、じいちゃんは俺に言った。
「そこの本を読んだ。ご先祖様は代々、この