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エピローグ 変わりは始めた日常

翔太と美雪が付き合い始めたことは、すぐに学校中に広まった


友人たちも祝福してくれた


「ついに気づいたか、翔太」

「美雪とはお似合いだよ」


そして不思議なことに、『モテ期』は終わっていた・・・

女子たちの熱い視線もなくなり、普通の日常が戻ってきたのだ


変わったことといえば、翔太と美雪がカップルになったことだけだった


・・・・


ひなたは変わった・・・今まで翔太だけに向けていた気遣いを、美術部全体に向けるようになった


そして数日後、彼女の絵がコンクールで入賞した


「おめでとう、ひなた!!!」

「ありがとうございます、先輩」


ひなたは自信に満ちた笑顔を見せた

失恋の痛みを乗り越えて、新しい目標に向かって歩き始めていた


・・・・・


ある日の放課後、翔太と美雪が街をデートしていると、偶然レナに出会った


「翔太!!!」


でも彼女の姿は以前と違っていた

髪は自然な黒色に戻り、きちんとした学生服を着ている


「レナ、どうしたんだい?その格好」


「兄に勧められて、真面目に学校に通うことにしたの・・・格闘技も始めたし」


レナは清々しい笑顔を見せた


「荒んだ生活から抜け出すって決めたの、翔太のおかげよ」


翔太は安心した・・・レナも新しい道を歩み始めている


・・・・・


雅も変わった・・・今まで特別視されることに甘んじていた自分を反省し、積極的に生徒たちとコミュニケーションを取るようになった


「田中くん、佐藤さん、お疲れ様」


雅がにこやかに声をかけてくる・・・以前のような距離感はない


「生徒会長もお疲れ様です」


「最近、色んな生徒から相談を受けるようになったんです、とても充実しています」


・・・・・


三人とも、翔太のおかげで新たな道を歩めたと言ってくれた・・・でも翔太は気づいていた


彼女たちは『モテ期』の翔太ではなく、素の翔太を見てくれていたのだ


だが、素の翔太をずっと見続けてくれたのは、美雪だった


「美雪」

「何?」

「翔太、君を一生愛し続ける」

「急にどうしたの?」


美雪は照れながら笑った


「君を大事にしていこうって、改めて思ったんだ」

「私も翔太を愛してる」


翔太たちは手を繋いで歩いた・・・


『異性にモテるギフト』は確かに翔太の人生を変えた


でも、本当に大切なものは、ずっと翔太のそばにあったのだ


・・・・・


『異性にモテるギフト』という不思議な力によって始まった翔太の非日常は、こうして終わった


ひなたは絵に打ち込み、新しい才能を開花させた・・・彼女の一途な想いは、芸術への情熱に昇華されたのだ


レナは荒んだ生活から立ち直り、兄への愛情を胸に真っ直ぐな道を歩み始めた・・・彼女の強さは、困難に立ち向かう力となった


雅は特別視される立場から降りて、多くの人々と向き合うようになった・・・彼女の高い理想は、正義感となって現れた


そして翔太は、ずっとそばにいてくれた美雪の愛に気づくことができた。


五人それぞれの恋愛感情は、最終的にそれぞれの成長へと繋がった


翔太たちの青春は、これからも続いていく


<END>


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