数週間後、雅から驚くべき話を聞いた
「実は、佐藤さんに告白したあのイケメン先輩のことなんですが・・・」
雅の表情が少し暗くなった
「生徒たちから相談を受けるようになって分かったんです・・・彼は取り巻きを使ってイジメを行ったり、女の子を弄んで捨てたりしていました」
「え?」
翔太と美雪は驚いた
「佐藤さんも、彼の餌食になりかけていたんです」
美雪の顔が青ざめた。
「教師たちも見て見ぬふりをしていたので・・・私の家の権力を使って、彼を懲らしめました」
雅の口元に、冷たい笑みが浮かんだ・・・
「一度は許しましたが、生徒たちから後ろ指をさされるようになって、最終的に自主退学しました」
「雅さん・・・」
「ただ退学させるだけでは反省しないでしょう。“世間の目の恐ろしさ”を見せないとね」
雅は普段の上品な笑顔に戻った・・・
「あなたたちも困ったことがあったら、いつでも相談してくださいね」
翔太と美雪は戦慄を覚えた・・・
雅の中にある、ちょっとした腹黒い闇を垣間見たのだ
そして、この一面を見せたのは、翔太たち二人だけだということも、言うまでもなかった