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おばぁ・ろーど〜星光石とサングラス〜
おばぁ・ろーど〜星光石とサングラス〜
夢想PEN
現実世界現代ドラマ
2025年06月20日
公開日
3.3万字
完結済
海辺の町・彩海市の名産品を巡って、ある噂がSNSで大炎上!観光地にはクレームが殺到し、町はかつてないピンチに…。だがそこに現れたのは、75歳の駄菓子屋店主・ハナバァ。人の心を見抜く不思議な力“オーラ読み”があって??真相解明に挑む、ドタバタミステリー!

第1色 眩しくてたまらん!

ここは、彩海市さいかいし

観光業と、星光石せいこうせきで栄える港町。

イカ焼きの匂いが立ち込める、レトロな商店街。そんな、港町の商店街で駄菓子屋(うずまき商店)を構えるババァこと、山田花子(75)通称、花バァは仁王立ちで今日もかましている。


「まったく!あっちもこっちもキラキラしやがって!眩しくてたまらん!」

ポケットから金ピカのサングラス取り出し、しっかり鼻にかけ、観光客を観察している。

花バァには、人の感情のオーラが色になって見える能力がある。


感情の起伏で、色が明るくなったり暗くなったりして、シパシパするので、サングラスをいつもかけている。

町ではある意味名物バァさんだが、商店街の人達は慣れてしまって何も言わない。


「ババァ!うぃーす!眼鏡、超ダセェ!うける。」

いかにも頭悪そうなこいつは、ハルト(16)

バズる事しか考えてない高校2年生。

丸刈り頭と、変な犬がプリントされたパーカーを着ている。駄菓子屋のバイト。


「うるさいねーバカガキ!さっさと店の仕事しな!」

花バァのガラケー殴りが炸裂する。

ハルトは頭を抑えながら店に入っていく。


「おばぁちゃん、このガムちょーだい!」

近所の子供達が群がる。

"ふわふわの真っ白なオーラ"純真無垢な色。

花バァが大好きな色。


「お前達は眩しいねー、でもそれがいいんだ。一個10円だよ!あのにーちゃんに持っていきな!」

ハルトを指差す。

はぁーいと言って、みんな駆けていった。


向かいのアクセサリーショップ(海キラリ)が、何か騒がしい。

「ねぇ!これ偽物じゃないですか??何か、この星光石、全然キラキラしてないし。口コミも最悪なんですけど!」

20代くらいの観光客の女が店員に怒鳴っている。


("真っ赤なオーラ"あれは相当な怒りだねぇ)


「あの、、えっと、、ごめんなさぃ。ちょっと、確認してきます?」

電話の子機を渡そうとする。

「私に聞くなしー!」客がもっと怒った。


オドオドしている店員、花見なな(21)通称ナナちゃん。

天然で、いつも何かしらおっちょこちょいをする。

「ナナちゃん。どうしたんだい?そんなに慌てて?」花バァが声をかける。


「えっと、、お客さんが、何か、色が違うって言ってて、、それで」ナナちゃんが、手をバタバタさせてあわあわしてる。


んー?っと言って、サングラスを少し下げ、ナナちゃんをみてみる。("ピンクの優しいオーラに、ちょっと黒いオーラ"が混じっているね?隠し事かい?)

観光客からアクセサリーを受けとり、確認する。


「確かに、色が少しおかしいねー。ナナちゃん。ちょっとこっち来な。私の目は誤魔化せないよ。」

腕を引っ張り、駄菓子屋の中へ引っ張る。

「えっ?でも、、お客さんいるし、あっ、あっ」ナナちゃんがテンパっている。


「でたー!ババァの神探偵モード!バズるチャンスじゃね?ババァ動画撮っていい??」


「うるさいねー!」

ガラケーが、またハルトの頭を襲う。

ガラケーの耐久値が下がった。


かくして、彩海市偽星光石騒動が始まった!







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