ここは、
観光業と、
イカ焼きの匂いが立ち込める、レトロな商店街。そんな、港町の商店街で駄菓子屋(うずまき商店)を構えるババァこと、山田花子(75)通称、花バァは仁王立ちで今日もかましている。
「まったく!あっちもこっちもキラキラしやがって!眩しくてたまらん!」
ポケットから金ピカのサングラス取り出し、しっかり鼻にかけ、観光客を観察している。
花バァには、人の感情のオーラが色になって見える能力がある。
感情の起伏で、色が明るくなったり暗くなったりして、シパシパするので、サングラスをいつもかけている。
町ではある意味名物バァさんだが、商店街の人達は慣れてしまって何も言わない。
「ババァ!うぃーす!眼鏡、超ダセェ!うける。」
いかにも頭悪そうなこいつは、ハルト(16)
バズる事しか考えてない高校2年生。
丸刈り頭と、変な犬がプリントされたパーカーを着ている。駄菓子屋のバイト。
「うるさいねーバカガキ!さっさと店の仕事しな!」
花バァのガラケー殴りが炸裂する。
ハルトは頭を抑えながら店に入っていく。
「おばぁちゃん、このガムちょーだい!」
近所の子供達が群がる。
"ふわふわの真っ白なオーラ"純真無垢な色。
花バァが大好きな色。
「お前達は眩しいねー、でもそれがいいんだ。一個10円だよ!あのにーちゃんに持っていきな!」
ハルトを指差す。
はぁーいと言って、みんな駆けていった。
向かいのアクセサリーショップ(海キラリ)が、何か騒がしい。
「ねぇ!これ偽物じゃないですか??何か、この星光石、全然キラキラしてないし。口コミも最悪なんですけど!」
20代くらいの観光客の女が店員に怒鳴っている。
("真っ赤なオーラ"あれは相当な怒りだねぇ)
「あの、、えっと、、ごめんなさぃ。ちょっと、確認してきます?」
電話の子機を渡そうとする。
「私に聞くなしー!」客がもっと怒った。
オドオドしている店員、花見なな(21)通称ナナちゃん。
天然で、いつも何かしらおっちょこちょいをする。
「ナナちゃん。どうしたんだい?そんなに慌てて?」花バァが声をかける。
「えっと、、お客さんが、何か、色が違うって言ってて、、それで」ナナちゃんが、手をバタバタさせてあわあわしてる。
んー?っと言って、サングラスを少し下げ、ナナちゃんをみてみる。("ピンクの優しいオーラに、ちょっと黒いオーラ"が混じっているね?隠し事かい?)
観光客からアクセサリーを受けとり、確認する。
「確かに、色が少しおかしいねー。ナナちゃん。ちょっとこっち来な。私の目は誤魔化せないよ。」
腕を引っ張り、駄菓子屋の中へ引っ張る。
「えっ?でも、、お客さんいるし、あっ、あっ」ナナちゃんがテンパっている。
「でたー!ババァの神探偵モード!バズるチャンスじゃね?ババァ動画撮っていい??」
「うるさいねー!」
ガラケーが、またハルトの頭を襲う。
ガラケーの耐久値が下がった。
かくして、彩海市偽星光石騒動が始まった!