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第80話  魔獣は北極星の香り


 おっきい魔獣。

 魔獣ってのは生き物だ。

 初めてシェローさんに会ったときに、彼が引きずっていたようなのが魔獣だ。あれはデカいイノシシだったが――とにかく、ちゃんと血肉ある生物・・だ。


 屋敷から出て、そっとノゾくと、確かにいる。


 シェローさんちの裏に一本だけ生えてる木の根元に、一匹(一頭のほうが適切か)のデカい獣がイビキまでかいて寝ている。

 うずくまる様に寝ているので全体のフォルムはよくわからないが、焦げ茶色の毛色をしたヒグマに似た動物に見える。立ち上がったら体長2メートルか3メートルほどもありそうだ。


 俺はその巨体を見て、瞬時に戦うという選択肢を捨てた。


 赤く光った魔法の地図。

 クエスト名「蹲る獣と空色の無花果」。

 モンスターアラームが鳴り響き、突如発生した魔獣。


「真実の鏡」で見た地図の詳細情報にも、


【果物はルクラエッラ西の森の傍の丘に立つ木に実るらしい! 噂では魔法の果実はモンスターの好物だという。戦う準備だけはしておけ!】


 と、あった。


 ここまで条件が一致していれば、疑う余地もない。


 確かにここは、ルクラエラ西の森の傍の丘だし、木だって生えてる。あの木に果実がるかどうかは知らなかったが……。


 もう一度ノゾき見ると、木の枝にはドリアンほどもある立派な果物(どう見てもイチジクとは言いがたいサイズ)が一つだけっていた。

 色も、空色というか水色で「魔法の果物でござい」と言わんばかりに、薄く発光。

 ほい確定。


「……よし、逃げましょう! うちの屋敷まで逃げれば結界もありますし、奴も追ってはこれないでしょう。寝ている今がチャンス」


 Dランクのクエストぐらいならなんとかなると思ったけど、ヒグマ級の攻撃性の高い野生動物とガチ肉弾戦とか無理ですから。

 狩猟免許取得してショットガンでも持って来られれば話は別だが、剣で肉薄して戦うとか無謀よ。あんた。

 肉眼で捉えきれない肉球フック食らって首が飛ぶだけよ。

 剣で受けるとかマジ無理ですから。

 車と戦うようなもんですからー!


 残念! このクエストは失敗した!


「そうねぇ。私たちは逃げられないけど、ジローたちは逃げといたほうがいいかもね。どれくらい強い魔獣かもわからないし、万が一ということもあるから」


 そんなことをシレッと言うレベッカさん。


「えええええ! 逃げましょうよ。クマですよ! クマ! 山親爺ヤマオヤジ! きっと起きて水色ドリアン食ったら森に帰りますって」


 そう。あの獣はイベント用モンスターの可能性が高い。というか絶対にそうだ。この世ならざるものだ。ある意味では、通常湧くアンデッドと同じようなものだろう。見た目はクマだけど。

 これは俺の予想だが、このクエストは、木から果物を取る(取ろうとする)→クマが起きる→果物取られて怒り心頭のクマと戦闘→それに勝利して果実を女の子に渡してクリアー! というものだろう。

 とすると、果物を取らずに放置すれば魔獣はいずれ消える。はずだ。

 わざわざ、人里に降りてはいかない……。はずだ。

 あまり自信はない説だけど……。


「……あのね、ジロー。あんなとこになんで急に魔獣が出るのかはわからないけど、だからって放置するわけにはいかないわよ」


 あっさり却下。

 しかし、そう思うのは当然だろう。モンスター退治を生業にしている人間の義務もあるだろうし、単純にシェローさんとレベッカさんはこの辺りでは最強戦力だからってのもあるだろう。

 だが、今回は義務は関係ない。はずだ。


「あ、えっと。アレ、多分これのせいです。これ」


 レベッカさんに薄赤く光る魔法の地図を見せる。


「なにこれ」

「ですから、前にエフタさんに見せてもらった地図と同じようなやつですよ。魔法の依頼書……とでもいいましょうか。これは誤算というか、偶然というか、地図の場所がどうやらドンピシャで、ここ、らしくてですね」

「……確かに地図はこのへんの地形に似てはいるけど……。でも、果物なんてないわよー?」


 レベッカさんは木に生る巨大な果物に気付いていないようだったので、教える。

 レベッカさんによれば、あの木自体はこの家に住み始めた時から生えていたらしい。が、あんな実をつけたことは今まで一度だってなかったのだそうだ。


「じゃあ、あの魔獣がモンスターだっていうの?」

「だと思います。自信はありませんが、実際モンスターアラームも鳴りましたし、ディアナも反応してましたしね。少なくとも普通の動物ではないんじゃないでしょうか」

「でも……モンスターなら、かならず人間を襲うはずよ? むしろモンスターならここで倒しておかないと。寝ている今がチャンスだわよ」


 そして、

 よし!(チャキ)

 と武器を取る。


 うおおおい、ちょっと待ってちょっと待って。

 せめてうちの女の子逃がしてからにして。

 わざわざ寝た子を起こさなくてもいいのよ!

 ディアナだって、「やめておいたほうがよさそうなのです、なんだか嫌な予感がするのよ」とかなんとか喚いていることだし!


 レベッカさんを引き止めながら、ふと気付いてしまったがシェローさんどうしたっけ……?


 不安になり戸外に出ると、シェローさんは愛用の極厚大剣クレイモアを地面にぶっ刺してグースカ寝入っている魔獣を睨みつけている。

 ……いつアレが起きても対処できるように、見張ってくれてるんかな。

 よかった。シェローさんなら、独断討伐に打って出ていてもおかしくなかったからな……。


 俺に気付いたシェローさんが、魔獣が起きても構わないとでも言うかのような大声で言い放った。


「お、ジロー。こいつくらいならお前でもやれるだろう。丁度いい機会だ、やってみろ」


 ゲェエエエエエ! 予想外の展開! なんにも丁度良くない!


「大丈夫だ。俺くらいになると一目見ただけで相手の強さがわかるもんだ。こいつはC級の魔獣といったところだな」


 なにそれ。そんな特殊能力持ってたのこの人。真実の鏡いらずじゃん。

 相手見ると「とても強そうだとてつよ」とか「同じくらいの強さだおなつよ」とか見えるってことなんかなぁ。ある程度は信用しても大丈夫……なのかな……。

 でも、シェローさんにとって「練習にもならない相手」だったとしても、俺にとって「とてもとても強そうだとてとて」の可能性も高いんじゃないのかな。本当に大丈夫なのか……?

 くまだぞ。こいつ。


 しかしそれを聞いて、俺の横にいたマリナは俄然やる気を出してしまった。


「それならマリナにやらせて欲しいであります! マリナでも戦えそうでありますか?」


 マジか。

 できればマリナはオリカとエレピピ連れて屋敷まで逃げて欲しいんだけど。あいつらだけで逃がすのは微妙だしな。

 いっそディアナに任せてみるか? でも馬の3人乗りはなぁ……。マリナなら大丈夫だろうが、ディアナの腕ではちと心配。


 そのディアナは、青い顔をして「ご主人さま、無理に戦う必要はないのです。あれは見た目ほどやさしい存在ではないような気がするのです……」と異常なほど及び腰だ。あまりビビらせるなよ……。


「いいんじゃないの? 魔獣の戦闘訓練は弱いのとしかやったことないし、C級ならちょうど良さそうな相手じゃない」


 しかし、レベッカさんまでそんなことを言い出してしまう。

 う~ん。信頼のシェローさんズEYEというわけか。C級は我々でもなんとかなるクラスということなんだろうが……。


「じゃあ、俺とマリナでってみようか……。ダメそうならシェローさんに押し付けて逃げるぞ」

「ワハハ、そのときは任せろ」


 本当は怖いけど、シェローさんの言うとおり確かに良い機会かもしれない。

 魔獣とは戦ってみたいが、今みたく準備も人数も揃った状態で、さらにこっちのタイミングで戦えるなんてことはそうないだろう。

 魔獣との戦闘なんて、「野生のサーベルタイガーが飛び出してきた!」みたいな状況が普通なんだろうからな。初見でそれだったら確実に死ねる。人間、咄嗟に行動できるほど能力高くないものだからな。


 ディアナは最後まで心配していたが、男にはやらねばならない時がある。もともとクエスト自体はチャレンジするつもりだったんだしな。


 装備を整え、俺とマリナでジリジリと魔獣に近づく。


 マリナはいつものミスリル鎧にハルバード。

 俺はいつもの服で魔剣を装備。

 ちょっとそろそろなにかしらの防具が必要かもしれない。これで攻撃を一撃でも貰いでもしたら確実に重傷を負う。「痛くなければ覚えませぬ」とはよく言うが、そこまで本気になれているわけでもないのだ。

 シェローさんとの防御訓練が効果テキメンだったと信じるほかないぜ。


 結局、オリカとエレピピも逃がしていない。

 エレピピについては、騎士隊に入ったのだから見ておいたほうが良いとレベッカさんが提案したのと、オリカ一人なら全員で撤退戦をやれば必ず逃がせるから――ということなので。


 正直、少し――心配な感じもある。


 商売で失敗したり、掲示板で身元がバレたりなんてのとはレベルが違う話だからな。失敗したら人が死ぬんだし。


 本当はもっと安全マージンだって取りたい。が、戦いに安全マージンをどれほど取ったところで、それは結局、大小の差でしかない。いや、もちろん防具をしっかりすればするほど良いとか、武器を良くすれば良いとかは当然あるのだろうが……。


 それでも「絶対」なんてものは存在しない。


 どれほどリスク管理をしたところで、そのリスクはゼロにはならない。

 となれば、そのことをどう受け入れるかの問題だ。

 そういう点で、傭兵上がりのシェローさんやレベッカさんと、我々(特に俺)とでは全く感覚が違うだろう。


 死に対しての感覚が――鈍いか鋭敏なのかは判断しかねるが――平和ボケした日本人の俺とは隔絶しているだろうからね。


 でもまあ、本当はもっとちゃんと防具とか用意してから、このクエストに臨もうと思ってたんで、結果的に出たとこ勝負みたくなってしまったのは残念である。

 準備を整えて、お宝探しみたいに地図を紐解いて、それでモンスターに勝って果実ゲット! みたいな風に遊びたかったわけだしな。

 まあ、今回は俺とマリナの訓練になるということで溜飲を下げよう。


 そんな俺の気持ちを知ってか知らずでか、


「主どの、できればなるべくマリナにやらせてほしいのであります。自分がどれくらい戦えるのか試したいのであります」


 と、やる気マンマンのマリナ。


 よくもまあ、あんなクマ公相手に闘争心を出せるものだ。

 騎士天職者だからなのかなぁ。勇ましいな。


 どちらにせよマリナが前衛で、なおかつ奴の武器がハルバードなんていう長柄武器な以上、そう上手には連携して戦えまい。

 振り回した武器に俺が巻き込まれるか、そうでなくても俺を気にして存分に戦えないだろう。


「じゃあ、スイッチ方式でやるか。マリナが戦って、ちょっとしたら俺と代わる感じで。あとは現場判断でフレキシブルに対応する感じで」


 マリナだけにやらせるわけにはいかんからな。少しは自分もやってみたい気持ちもあるし。

 それに、シェローさんも大丈夫だと言ってくれたし、リアル熊よりは弱いはずだ。……きっと。

 そうでないなら、せめてボブサップ程度の熊であってほしい。それならまだ武器の差で勝てる。

 赤カブト並の熊だったら、シェローさんの絶・天○抜刀牙に期待するしかない……!


「では行くであります!」


 マリナが突撃していく。

 俺も剣を構えながら付いて行く。

 果物も気になるところだが、あの獣をどうにかしなければ、どのみち回収は難しいだろう。


 間合いで立ち止まり、油断なくクマを観察するマリナ。

 事ここに至っても、未だにグースカ眠るクマ。


「……眠ってるうちに首チョンパすれば勝てるんじゃね。これ。いっちょやってみるか?」

「首チョンパでありますか?」

「ほらそのハルバードの斧のとこでさ」


 しかしそれはシェローさんからダメ出しされた。

 訓練なんだから、ちゃんと起こしてから戦えだと。無茶言いなさる。


「だってさ。マリナ、ソッと起こしてやって。その長いのでチョイと突っつくくらいの感じで。こう、逆鱗に触れないように、ソッとな」

「ソッと起こすであります。声を掛けるであります」


 え、声掛けんの? と聞く間もなくマリナは魔獣に話しかけた。いや、宣誓した。


「我が名はマリナ! アルテミスが第二の騎士マリナであります! 魔獣どのに尋常なる勝負を申し込むであります!」


 魔獣に勝負申し込みおった! なにこれ、これって普通のことなの?

 こっちの世界の常識が不明すぎる!


「レベッカさん、これはいったい!?」

「騎士の決闘だわね」


 さっすが教授! 頼りになる~。

 じゃないよ、なんで普通に受け止めてんの。獣相手に決闘してどうすんの……。


「普通は人間相手にやるものだけど、ほら、あの子ちょっと変わってるからねー。決闘に憧れてるってよく言ってたし」


 あ、やっぱちょっと変なんだ、よかった。マリナが変人なだけでよかった! って良くはないか。


 マリナの宣誓を聞いても起きないのではと思われた魔獣だったが、しかしイビキを止め、その両眼を胡乱気に開いた。

 そして、辺りを見回し、口を開く。


「……この果実は我の物だ」

「ウワァァァァァシャァベッタァァァァァァ!!!」






 ◇◆◆◆◇






「この果実がほしければ我に実力を示すことだな」


 クマは流暢に喋った。

 しかも武闘派である。そのくせ謎の知性を感じさせる佇まい。

 なにこれ、魔獣って喋るようなのがデフォなの? 動物って言ってなかったっけ。

 でも、エトワみたいな猫娘だって流暢に喋ってるんだし、別になんにもおかしくはないのか? ファンタジーな世界なんだし。

 エトワもそうだけど、なぜか動物系は賢そうなのが多いんだよな。造物主? の趣味なんかな。


 レベッカさんによると喋る魔獣は時々いるらしい。いるが、あまり人間世界に関わりあいを持たないものが多いので、こうして戦うことになるのは稀なのだとか。

 ただ、珍しいけど、見たこともないほどレアの生物でもないのか、シェローさんもレベッカさんも涼しい顔だ。

 う~ん……。なんだこの世界……。あんな言葉喋るような動物と殺し合いとか、普通の動物とやるのとは全然違うと思うんだけどな……。


 クマは様子を見ているのか、一気に襲いかかっては来ない。

 というより、本気で戦う気がないようだ。「胸を貸してやるから、かかってきなさい」という感じ。よくわからないイベントである。


 立ち上がった姿は、やはり体長3メートルほどもあり、ハッキリ言ってかなりの威圧感。それだけで呑まれて・・・・しまいそうだが、やれると信じて戦うしかない。それも含めての訓練なのだろうしな。

 でも、こんなでっかい動物を剣で切りつけて殺すってのは、まあ……ちょっと無理ぽいけどもね。

 向こうが殺す気で来たら、そんな悠長な事は言ってられないだろうけど――。


「いくであります!」


 そうこうしてるうちに、マリナが突っ掛かっていった。

 瞳をランランと輝かせ、ハルバードを振り回す。

 すげえなあいつ、……怖くねえのかな。


 滅紫けしむらさきの斧槍を豪快に体ごと振り回し、全体重を載せた一撃をクマへと撃ち入れるマリナ。

 一撃、二撃、三撃。

 踊るように淀みなく攻撃の手を緩めず、ハルバードの重量を活かした裂帛の気合を乗せた攻撃が続く。


「グハハ! 良い攻撃だ!」


 魔獣は、時々マリナに攻撃しながら、あまり防御もせず攻撃を受けている。

 マリナも相手の攻撃を巧みに躱しながら、うまく戦っているように見えるが――


「……レベッカさん、あいつ、血が出ませんね。攻撃モロ当たりしてるように見えるんですが」

「……そうね。私も思ってた。あの感じ……、ヒトツヅキで湧くやつと似ているわ。攻撃が当たっているのに、全くこたえない感じ……」

「アンデッドではないタイプのモンスターってことなんですかね。スケルトンと違って、重量感ちゃんとありますし、攻撃も物理法則に従ってる感じがありますが……。いや、そもそも見た目からしてクマですけども」

「かもしれない……。ゴメン。私もはじめてみるわ、ああいうの。……大丈夫かしらね、あの子」

「いざとなったら全員でやりましょう」


 マリナの連続攻撃に対して、クマは緩慢な動作でときどき猫パンチの真似事をするだけだ。

 なるほどC級。

 どう見ても手加減して戦ってるようにしか見えないが、魔獣との戦闘自体が俺は初めてなのでよくわからない。こんなもんなのかな。


「ヌゥ! これは『滅び』! 珍しいエンチャントを持っているな! だが我には効かぬぞ!」


 クマが大袈裟に驚きを示す。そういえば、マリナのハルバードってそんなエンチャントされてるんだっけ。効かないんじゃ意味ないが。


 いやぁ、しかし、それにしても……。


「……先輩、綺麗……」


 マリナの踊る様な戦闘法を見たエレピピが呟く。


 そうなのだ。綺麗なのだ。

 躍動する肉体。輝きながら飛び散る汗。弾む息。弾む胸。

 驚くべき身の軽さで、コマのようにクルクルと周り、腰マントを広げなびかせ魔獣を翻弄する姿は、天然の褐色と相まってアラビアの踊り子のようだ。

 その姿は、妖精と言うに相応しかった。

 俺の元で花開いた妖精……。


「っと、いつまでも見とれててもな。なにが俺の元で花開いた妖精だよ……」


 我に返り、マリナと交代することに。

 クマはどうやら強くないというより、本気で戦ってこないようだし、俺でも問題ないはずだ。いや、マリナとの戦闘訓練では俺のほうが勝率いいんですよ? マリナが手加減してる可能性もあるけど!


「よし、マリナ! 代われ!」

「り、了解であります! 主どの、攻撃が効いてる感じがしないであります、気をつけて!」

「おう」


 マリナと交代する間も、クマはこちらを見ているけど、追撃はしてこなかった。イベントの終わりが見えないぜ。

 あいつが言うには、『実力を示せ』ば終わりらしいが……。


 そんなことを考えながら魔剣を構える。

 俺はマリナの様に、ムロフシよろしくグルグル廻って戦ったりはできないからな。

 地道にいこう。


 そんなことを考えながら間合いに入ると、様子を見ていたクマが何かに気付きサッと表情を一変させ、大地を震わせるほどの咆哮を放った。


「グォオオオオオオオオオオオオオオオ!!! 貴様!! その剣、憎き、憎き赤き魔剣! 我が同胞たちを血の海へ、赤き地獄へ沈めし魔剣! だが、――あの男ではない……? ならば、次代の担い手――というわけか。くふふ、手習いのガキならば手加減の一つもするが、『魔獣殺し』ナンバー4であるならば! この北極星ポラリスのアルカス、容赦はせん!!」




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