藍令真
現代ファンタジー都市ファンタジー
2025年06月27日
公開日
16.9万字
連載中
1994年。16歳の誕生日を目前に控え、ライエ・ユーナはいら立っていた。
元華族の家系であるライエ家の跡取り娘である自分が、心身ともに自由のない生活を強いられていることに。
ライエ家は総合コンサルティング企業を経営しており、企業は少数精鋭の特別有能な人間で運営されている。彼らは「玉(ぎょく)の継承者」と呼ばれていた。
玉とは、ライエに世襲されてきた6個の宝石。
天丸(てんまる)、地丸(ちまる)、風丸(かぜまる)、雪丸(ゆきまる)、炎丸(ほむらまる)、氷丸(こおりまる)。
これらの宝石を受け継いだ天才たちは、その石の名前と栄誉を継承するのだ。
父はライエ家の当主、第三代炎丸。そしていつも父のそばにいる切れ長の目の青年。彼は第四代氷丸。
父はいずれ、氷丸をユーナと結婚させ、ライエを継がせるつもりでいるようだ。
ユーナが小さいころから献身的に守ってきた氷丸。決められた人生を歩むことに反発しながら、氷丸に依存しきっている自分が歯がゆいユーナ。
そんな慣れ切った関係の二人に、思いがけない出来事が訪れる。
危うくなっていく二人の絆と想い。
はたして、主人公たちの心の終着点は……
第一章 富豪の跡取り娘 【ユーナ】
第1話 私が望む私の生活を手に入れるために