ワタシが
マリアさんのドレス姿は目のやり場に困る。薄いレース生地から彼女の下着が見えている。彼女の大きな2つの膨らみを包みきれずに、ドレスが破れそうだ。まぁ、男はこういう非日常的な格好を好むので仕方ない。
「マリアさん」
「どうしたの? ヒヤマ……うっ……ごめん」
マリアさんは、気分が悪くなったのか。口元を抑えて仕事部屋へと戻っていた。
来ましたか……。
数分後、マリアさんが仕事部屋から出てくると、1枚のタロットカードを持っていた。
「出たわ……また
マリアさんは申し訳なさそうな顔をしてタロットカードをワタシに手渡す。そこには五羽以上の茶色の小鳥が住む巣があった。
だが、巣の中心に一羽だけ種類の違う灰色の大きな鳥がいた。茶色の親鳥が小鳥にエサを与えようするも真ん中にいる灰色の鳥が茶色の小鳥を押し退けて全てのエサを奪っている。相変わらず下品なデザインだ。
ワタシは見慣れた
「いえ、こればかりはどうも出来ません。もしかしたら、相手の質に影響があるかもしれません。今後は質の良い相手だけとして、それ以外は他のキャストに任せましょう」
「ミミちゃん、ララちゃんにこれ以上負担をかけられないわ」
「ご心配なく。あの2人もあなたに負けない性欲の持ち主たちですよ」
「ずるい人。あのピュアだった檜山くんが、今のヒヤマになるなんて想像できなかったわ」
「恐れ入ります」
「褒めてないわよ」
「しかし、これも一刻も早く
「そうね……だけど、アタシはこの力のおかげで美味しい思いもたくさんしてきた。これは罰なのかもって……」
「いえ、違います。あなたは50年前にワタシを救ってくれました。そんな、あなたはワタシが救いたい……それだけです」
「ありがとう、ヒヤマ。次のお客様は何時から?」
「30分後です」
「あら、今日もマリアちゃんは大人気ね。OK、すぐに準備するからお客様が来たら、部屋にお通して」
「承知しました」
マリアさんは満面の笑みを浮かべて仕事部屋へと消えていった。
ワタシは、あと何回あなたの悲しい笑顔を見ないといけないのだろう。