「ツバキ」
僕が勤務を終えて帰ろうとすると、クイーン×ビーの休憩室でマリアさんと遭遇した。
「マリアさん」
「お疲れ様、一週間ぶっ通しでしょ」
「はい、めちゃくちゃ疲れますよ」
僕はわざとマリアさんに皮肉をぶつけた。
あなたの性欲解消と
まぁ、あなたはここの女王様で、僕は働きバチ。与えられた仕事を黙々とやるだけですけどね。
「ツバキ、ごめんね。じゃあ、アタシが良いことしてあげようか?」
まさか、女王様からのご褒美。
さっきまで死にかけていた僕の男が元気を取り戻した。
「で、でも……」
「あなたのおかげで、この店もアタシも助かっているのよ。それにキミのこっちは我慢できないって言っているよ」
マリアさんは艶めかしい声を出しながら、僕の内股をゆっくり擦り始める。僕に断るという選択肢はなかった。
***
僕はマリアさんとヤッてしまった。
口コミ通り、最高だった。
メンタル的にしんどいはずなのに、ご飯を食うことも忘れて1日中マリアさんの体を堪能した。
「どうだった?」
「最高でした……このことはヒヤマさんには……」
「言うわけないでしょ。アタシがヒヤマに怒られちゃう。アタシにできるのはこれしかないから」
「ツバキ、あなたはどうして隔離病棟の異能力者になったの?」
「え?」
「いや、言いたくなかったらいいけど。ただ、気になってね」
「僕、両親に捨てられて……行く宛がなくて、ヒヤマさんに拾われたんです」
「そう、昔の彼と同じね」
「そうなんですか?」
「昔、アタシが彼を拾ったの。50年前に……あ、今、ババアとヤッちゃったって思ったでしょ!」
「いえ……」
「素直でよろしい。でも、よかったでしょ」
マリアさんは悪戯っ子みたいな声で耳元でささやく。
さっきまで落ち着いていた僕の欲望がまた立ち上がってしまった。
「あら、元気ね。する?」
その質問にNOと答えられる男はいない。
僕は、再びマリアさんを堪能した。
その時、ドアの外にヒヤマさんが立っているとは、知る由もなかった