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第9話 隔離病棟(ブラック×ボックス)を開けてはいけない

「ツバキ」


 僕が勤務を終えて帰ろうとすると、クイーン×ビーの休憩室でマリアさんと遭遇した。


「マリアさん」


「お疲れ様、一週間ぶっ通しでしょ」


「はい、めちゃくちゃ疲れますよ」


 僕はわざとマリアさんに皮肉をぶつけた。

 あなたの性欲解消と天地創造クイーン禁止事項タブーである1日1回必ず性行為をして、異能力を産まないといけないを実現するために、僕が隔離病棟ブラック×ボックスを使って世間を欺かなきゃいけない。


 まぁ、あなたはここの女王様で、僕は働きバチ。与えられた仕事を黙々とやるだけですけどね。


「ツバキ、ごめんね。じゃあ、アタシが良いことしてあげようか?」


 まさか、女王様からのご褒美。

 さっきまで死にかけていた僕の男が元気を取り戻した。


「で、でも……」


「あなたのおかげで、この店もアタシも助かっているのよ。それにキミのこっちは我慢できないって言っているよ」


 マリアさんは艶めかしい声を出しながら、僕の内股をゆっくり擦り始める。僕に断るという選択肢はなかった。


***


 僕はマリアさんとヤッてしまった。

 口コミ通り、最高だった。

 メンタル的にしんどいはずなのに、ご飯を食うことも忘れて1日中マリアさんの体を堪能した。


「どうだった?」


「最高でした……このことはヒヤマさんには……」


「言うわけないでしょ。アタシがヒヤマに怒られちゃう。アタシにできるのはこれしかないから」


「ツバキ、あなたはどうして隔離病棟の異能力者になったの?」


「え?」


「いや、言いたくなかったらいいけど。ただ、気になってね」


「僕、両親に捨てられて……行く宛がなくて、ヒヤマさんに拾われたんです」


「そう、昔の彼と同じね」


「そうなんですか?」


「昔、アタシが彼を拾ったの。50年前に……あ、今、ババアとヤッちゃったって思ったでしょ!」


「いえ……」


「素直でよろしい。でも、よかったでしょ」


 マリアさんは悪戯っ子みたいな声で耳元でささやく。

 さっきまで落ち着いていた僕の欲望がまた立ち上がってしまった。


「あら、元気ね。する?」


 その質問にNOと答えられる男はいない。

 僕は、再びマリアさんを堪能した。


 その時、ドアの外にヒヤマさんが立っているとは、知る由もなかった


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