沼平甫
異世界ファンタジーダークファンタジー
2025年07月08日
公開日
11.5万字
連載中
──それは、決して掲示板には載らない仕事。
冒険者ギルド。
それは、“冒険者”と呼ばれる職業の者達を登録し、管理する組織である。
冒険者への依頼の斡旋、国家間の往来の許可取り、洞窟や遺跡探索の申請代行など、その業務は多岐に渡る。
だが、冒険者ギルドには、極々一部の限られた者しか知らない“裏の顔”も存在する。
“掃除人”。
何らかの理由により公に裁くことが困難な、若しくは公に出てしまえば大変に都合が悪い冒険者その他を“処理”する者の総称である。
冒険者狩りを行う冒険者。
自身の勝手な信念により、人間すらも標的にする神官戦士。
己の失敗を隠蔽するために、村を焼き払う魔術師。
禁制の薬の媒介役となった盗賊。
権限を利用し、重大な汚職に手を染めたギルド職員。
それらを秘密裏に“処理”する仕事。
そこには正義も義憤もない。あるのはただ、“乾いた職業意識”のみ。
これは、とある冒険者ギルドの、ある掃除人の物語。
※この作品には暴力的描写・倫理的に問題のある行為・性的なニュアンスを含む描写があります。
一部の読者にとって不快に感じられる可能性がありますので、ご注意ください。