haru
異世界恋愛和風・中華
2025年07月09日
公開日
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連載中
時は明治。人間の影に潜む悪鬼や妖怪から国を守る、東西の二大柱の家系が存在した。東を守っているのは、平安時代より続く陰陽師の家系の阿倍野家。西は、1000年前に稀代の霊力を持っていた巫女を排出した神部家が守護していた。
神部家の長女の美弥は、霊力を全く受け継いでおらず、7歳の時に母が病で亡くなると、父から女中と同じ扱いを受けるようになった。妾の子供の桃華に霊力があることが分かると、父は桃華を後継ぎとして育て、神部家の跡取りである晴麿と婚姻関係を結ぶことにする。
ところが顔合わせの日、神戸家を訪れた晴麿は信じられないことを口にした。
「俺は、妹ではなく姉の美弥を婚約者とするつもりだ」
私には霊力がないのにどうして?
首をかしげる美弥に晴麿は、美弥が常に首にかけている勾玉は、美弥の霊力を封印していると伝え、その霊力が必要だとして、明日から阿倍野家へ来いと言うのだった。
何が何やら分からないまま、阿倍野邸へ赴くと、晴麿は更に訳の分からないことを言い出した。
「美弥の霊力を利用して両親を殺した鬼に復讐を果たしたら、婚約を破棄する」
「はい?」
式神や使役妖怪、付喪神など人外だらけの賑やかな阿倍野邸で、美弥と晴磨の婚約者(仮)としての生活が始まる!