美沙が立ち尽くしていたのは、2階の男子トイレ前だった。
「あのー。そこ、どいてもらっていい?出れないんだけど」
突然後ろから声が聞こえて驚く美沙。
振り返ると美沙より10cmは高い男の子が立っていた。
「ご…ごめんなさいっ!!」
慌てて謝る美沙を見てその男の子は言った。
「あ、なんかごめんね。驚かせて。そんなつもりはなかったんだけど…」
「あの、ここの生徒さんですか?」
「あー、俺?そう。今日からここの生徒だよ」
「ってことは1年生?」
「うん!そうだよっ!君も?」
「そう。…なんだけどね、教室がわからなくて」
「もしかして迷子?」
「……そのもしかしてです」
「俺が連れてくよ。クラスは?」
「1年B組」
「B組!?マジか!俺もB組だよっ!仲良くしよっ!」
「宜しく!」
「よしっ。教室行くか」
「うん!」