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厄除師について 弐


 それから、平安時代〜数百年の間は職業の一つとして表沙汰で活動ができていた彼ら。

 それは都だけでは無く、全国各地に生まれた【厄】という澱みの浄化処理をしていった。

 おかげで一般人への被害も減りつつ。平穏な日々が広まっていったのは言うまでもないくらいの功績を上げ、国に貢献していった。


 だが、大正時代に入ってから、━━━事態が変わってしまう。

 〈とある事件〉によって急遽国の命令により、裏稼業とさせられてしまったのだ。

 これにて、歴史上の記録から彼らの存在は消されてしまい。現在は国家関連の一部しか知られないまま、厄処理が続いている。



 話しは戻って、平安時代にて。

 筆頭の公主の元に、彼を尊敬し彼の元で働いている━━ 十二人の部下がいた。


 リーダーである公主はこれから先、彼らに子々孫々と厄除師として澱みを浄化して欲しいと願った。

 この世の中を平穏な日々にして欲しいと、想いを込めて。

 よって、姓が無かった彼らに神聖なる動物の漢字が一つ入った〈名字〉と〈能力〉を例外を除いて、それぞれ授ける。

 後に、部下である厄除師十二人を、〈十二支〉として名づけた。

 〈子〉は、〈子島〉

 〈丑〉は、〈丑崎〉

 〈虎〉は、〈虎徹〉

 〈卯〉は、〈卯ノ月〉など……


 そして、十二支の創始者になった彼ら。公主の次に筆頭する副管理人となり、これからの未来を支えるため、能力を授けてくれた公主を支えるために組織を固めようと話し合いをした。

 ここで各干支の始まりの一族として、━━━〈本家〉が誕生する。


 数年後、創始者たちは各本家内で一族を束ねる大黒柱が必要だと話があがった。

 議論を重ねて、重ねて半年経ったある日。

 優秀な厄除師が一族を束ねる〈当主〉として、子々孫々と厄除師の伝統を引き継げば良いと一致団結する。

 その筆頭の元、厄処理の稼業は子孫へ引き継がれていった。


 それは本家の者達だけではなく。数年後に生まれた〈分家〉にも、厄除師の伝統が現代までひっそりと引き継がれ ━━━現在に至る。





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