「うち、来る?」と
神森は、「よく覚えてましたー」と言って、僕の頭を
こ、こいつ・・・
「えっーとさあ。ノッスははじめてなんだよね?」
ノッスとは僕のあだ名であり、神森のあだ名はミモリである。そして、はじめてというのは性的な体験のことだった。
「う、うん・・・」
「知ってる?男同士じゃあ入れない、ラブホって
「おっ。あった、男同士で入れるとこ。
「愛の
「なんだって?」
「なんでもない」
※
五反田。LOVE NEST。
ラブホの部屋に着くなり、神森はベッドに
どうせ、こんなことだろうと思ったんだ、僕は・・・
期待したのがバカみたいだ。
そう思って、しかし、ラブホテルなるものに来るのがはじめてだったので雰囲気を楽しみつつ、一人でシャワーを
ラブホの浴槽って結構広いんだなー、場所によるのか。カラオケもあるらしいし、聞くところによるとラブホのメシもそこそこ食えるらしい、なんて神森以外のところでワクワクしていたけれど・・・
だが、すぐそこで神森が
そして、たまらず、神森が寝ているベッドのところまで行き、寝返りをうってちょうど僕のほうを向いている彼のかわいい顔を見ながら、僕は自分で
フゥ・・・。
いったん、僕の中の動物的なるものは落ち着きを見せてくれた。僕はティッシュで精液をふき取りながら、神森の唇にキスをしてみるのはどうだろうと考えた。
さすがに、犯罪か!?
でも、ここに来たって、ことは、同意!?
う・・・うん。
まあ、いいや。
なんか、ベットリするな・・・
吸い付くみたいだ・・・
それが、僕の人生初キスの感想だった。
すると、突然、神森が目を開けた。
「はい。不同意わいせつ〜」
彼は、僕を責めた。
僕は、ベッドの隣に土下座をして、神森に頭を下げた。
「ごめんなさい。つい、
神森の手が僕の
「おい。顔見せろ」
僕はかたくなに頭を下げるのをやめない。
「いいから。顔見せろ」
僕はかたくなだ。
「おい、お前。いい加減にしろよ。ふざけんなよ」
僕の目には涙がたまってきた。
そして、ついにこらえきれず、顔を上げた。
すると、神森が彼の唇を僕の唇に重ねてきた。
そして、さっきはできなかった、舌を入れる行為、いわゆるディープなやつをやってきて、僕は彼の舌を受け入れ、そして、彼は僕の舌を受け入れた。
神森は、キスを終えると、僕の頭をポンポンとはたきながら、「な。気にすんなよ。俺はなんとも思ってない」と言った。
「つ、つづきは?」と僕は聞いてみた。
「だって、さっき、自分でイっちゃってたじゃん?」
彼はそう言った。
「見てたの?」
僕は顔が
「イくとこ、ちゃんと見てたよ。いまさら、
そう言って、神森は僕に
【つづく】