「え……退職、です……か??」
話の流れで思いもよらない言葉だった。投げられた言葉だけじゃなくて頭の中が真っ白になってしまう。
そりゃそうだよ!研修を始めてから、まだ十日しか経ってないのに……もう退職するなんて!?
働き始めて日が浅い中。
突然の退職する話で驚いた様子に「神龍時さん、驚きすぎ~!」と、ドッキリ大成功と言わんばかりに爆笑している草摩さん。
ここまでくると、私が見てきた彼女とかけ離れており同一人物なのか、と疑心暗鬼になってくる。
もしかして、双子とかさ。
どうして良いのか混乱している私に気づいた、相手。
「ごめん、ごめん。神龍時さんの顔が面白いくらい百面相してて……じゃなくて、表情が豊かすぎて笑いがね。………………もう、大丈夫よ。どこまで話したっけ?」
(━━え?今、失礼なこと言ったよね??このクソッたれ女!!
というか、会話が失礼すぎるでしょッッ!?さっきから。この世に法律が無ければ……昨日、嵐にお仕置きで使ったプロレス技〈シャイニング・ウィザード〉で葬ることができたのにッッ━━━━!!
もうさ、今だけでも法律の存在さ消滅してくれないかな……?三秒間だけで構わないからさぁ)
ここで、私のストレスボルテージがグンッと急上昇に爆上がり。共に、隣でお弁当食べている事態が失敗だったと後悔した一時でもあった。
そして。ここまできたら、言いたい事を言ってやろうと思考を切り替える。
(決して、宇宙兄さんみたいに負けず嫌いが発生したわけじゃない!ここ、重要!!)
社会人になっている今。そんな子供じみたことをやっていたら、恥ずかしい以外何もないじゃない!!
「草摩さん、からかうなら他所でやってもらいます?私、そこまで人生を暇していないので。サヨウナラ」
「ごめん、ごめん!からかいすぎたね。そんな汚い生ゴミを観るような目で見ないで!?ね?お願い」
「いや、原因はそちらからですよ?何を言ってるんですか?理解できないなら、退勤後に病院行ってきた方が良いですよ?医療費は草摩さん持ちになりますが。他にご用件ありますか?」
「だから、ごめんって〜!神龍時さん、このハイピュアってお菓子あげるから機嫌直して。ね?」
「……しょうがないですね。今回だけですよ?ところで、他にご用件はないですか?」
「……神龍時さん。貴方から見た私って、劣等生でしょ?」
この質問に、言葉が詰まってしまった。
「…………たぶん。あ、他の人から見たらそうでも無いと思いますよ?きっと」
今まで見てきた研修成果の情報から見ると、草摩さんはお世辞にも優等生とは言えない。
「うん。神龍時さんって優しいね。だから、お昼ご飯を誘ったの」
「……はぁ、それはどうも?」
「ありゃ、話しがズレたね。えっと……つまりね私、今日まで