あるひ、かみさまが
もりのなかの
ちいさなおかのうえで
ためいきをついていました。
「はあ……どうしよう……こまったなぁ……」
もりにすんでいる どうぶつたちが
かみさまに こえをかけます。
「かみさま、どうしたの?」
「うーん……ちょっと、おはなしてもいいかな?」
サル、シカ、イノシシ、タヌキ、
フクロウ、ヤマドリ、
ヘビ、カエル、ちいさなムシたち──
もりの いきものたちが
つぎつぎと あつまってきて、
かみさまのまわりを かこみました。
かみさまは そらを みあげて、
ゆっくりと いいました。
「それと、いま──
この ほんを よんでくれている、
みんなにも おしえてほしいんだ!
みんな、きょうりょくしてくれるかな?」
そして、
かみさまは しずかに、
おはなしを はじめました。