「え? あ、そういう事やなぁ」
そう言う雄介の顔というのは本当に幸せそうな表情を浮かべている。
「ま、ええか。望が俺の事、そう思ってくれておるなら、親父の事は我慢して東京に行くしかないみたいやな」
「そういう事だな。お前の大事な人が心配してんだから、そこは我慢して東京に行くしかないみたいだな」
「せやな」
雄介は話しながらご飯を食べ終えると、
「ほなら、後の事は和也達に任せたで、俺達の方は東京に行く準備せなアカンしな」
「ああ、任せておけって。そこの所は朔望もいるんだし、任せてくれたらいいからさ」
その和也の言葉に雄介は笑顔を向けると、雄介は二階へと上がって行くのだ。
「あ、お、俺も!」
そう俺もご飯を食べ終えると、雄介の後を追い二階へと向かう。
部屋へと入ると雄介は本当に東京に行く準備を始めたようだ。
「お! 望も来たんか?」
「あ、ああ、ま、まぁな」
俺は何だか気不味そうな雰囲気に動揺したように答える。
それに雄介は気付いたのか、
「大丈夫やって、親父に事も体の事もな」
「え? あ、うん」
「俺やって、医者になったんやぞ。前に望が言っておったやろ? 自分の体は自分が良く分かってるってな」
「あ、ぅん、そうだったな」
「でも、せっかく休み取れたんやから、とりあえず、病院で検査し終わった後はゆっくりしよ」
「あ、ああ、そうだな」
俺はその雄介の言葉に笑顔で答えていた。
「じゃあ、マジで用意して、東京に行くか!」
「せやな」
そう気合いを入れると、俺達は本格的に東京に行く準備を始める。
旅行というのか、遠出する時というのはいつもスーツケースだ。
そこに洋服や必要な物を詰めて行く。ま、もし、いる物があれば後で買えばいいんだけどな。