サアラは私の言葉を聞くとしょんぼりと項垂れてしまった。
「元気出して、相手のことこっそり見に行くなら、私が一緒について行ってあげようか?」
私がそう言うとサアラの顔がパッと明るくなる。
それを見てまたしまったと思った。
なんでも安請け合いしてしまうのが私の悪い癖。
転生する前もそれで散々大変な目に遭ったのに。
そういう性分は死んでも変わらないらしい。
「じゃあ私相手のことを知るためにもこっそり見に行きます!」
サアラはグッと拳を握って決意したようだった。
私はそれを見て頭を抱える。
(これで相手は最悪な人だったら逃亡の手伝いまでさせられそう…)
どうかこの嫌な予感が当たりませんようにと願いながら私とサアラは婚約者の元へと向かった。