「それで…その方とは結婚したのですか?」
「え?ま、まさか。
私達は違う高校に進学しましたから、自然消滅…つまり別れたのです。」
「えっ!?」
シャルアさんは本当にびっくりしていた。
王族は、めったなことでは別れないみたいだし、そんなシャルアさんからしたら、付き合い始めてすぐに分かれるなんて、信じられないんだろうね。
「あ、あの…異界では恋愛は何度でもして良いのです。
結婚もです。
うまくいかなければ別れて、また新たな相手を探すのです。」
「そ、そうなのですね…」
シャルアさんはまだ驚きから覚めてないみたい…
考えてみれば、私は異界でとても自由に生きてたんだな。
シャルアさんにはとても許されないような暮らしをしてきたんだ…
「シャルアさんは、好きな方はいらっしゃらなかったのですか?」
「はい…
5年ほど前から体調もよくありませんでしたし、陛下も私の婚姻には慎重になられていたようです。
でも、あの時、無理にでもどなたかと結婚していたら…
あなたをここへ呼び戻すこともなかったでしょうに…
本当にごめんなさいね。」
「シャルアさんが謝られることなんてありません。」
私は、シャルアさんの華奢な手を握った。
可哀想...
恋も知らず、国のことだけを考えて、体は毒に冒され、遊びに行くことさえ出来ないまま、死ななきゃいけないなんて...