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王女と王と宰相と

第165話




「もうそろそろガザン王が来られる時刻ですね。」


「……そうですね。」


私は、カーテンの引かれた寝台に横になり、準備を整えた。




「そうそう、ガザン王は宰相を伴って来られるらしいですよ。」


「宰相を…?」


隠し部屋でサンドラさんに教えてもらった。

宰相っていうのは、政を手伝う役職で、とても高い位の人だ。




「もしかしたら、宰相が決まったことをお知らせに来られるのかもしれませんね。

ご挨拶がてら、来られたのでは?」


なるほど。

そういうことなら納得が出来る。

多分、宰相は、マリウスさんの幼馴染のアンセルさんだね。

そう言えば、私はアンセルさんと会う機会がなかったな。




「シャルア様…ガザン王が来られました。」


レベッカさんが、おずおずと知らせる。




「通して下さい。」


「はい。」




リラックス、リラックス。

顔さえ見られなければ、絶対にバレない。

私は、目を閉じ、深呼吸をした。




緊張が解ける間もなく、扉が大きく開かれた。

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