落葉ちゃんの初ログインでっす!
最初の街“ビギナータウン”に降り立ちました。
最早見慣れた世界ですがこれから新生活と思って意気込んでいきましょう!
あ……ファーストキャラでの知り合いからのコールは全切りしておきましょう。
どうせ高難度クエストを手伝ってくれーとかのビジネスライクな連絡ですし。
私のログイン通知とかもオフのオフ。
しばらくは自分の世界に没頭したいのです!
とりあえずメンバー私だけのぼっちギルド『でいおぶざぼっち』の倉庫からあれこれ用意しておいた装備品とアイテムを回収しましょう。
レベル制限やステータス制限でいきなり最強装備! とはいきませんがそれなりに良い装備を予め用意しておきました。
それでもって装備以上に重要なのがコチラ!
作:ボンバイエ 収束指向性投擲爆雷13号接触式、愛称「ネックチョッパー」!
こちらをゴッソリ持ち出します!
なおボンバイエとは私のファーストキャラさんです。
戦える製作職をコンセプトにややDEX,AGIに偏重した……躱して爆弾をぶちこむというワケワカランキャラでした。
ともかく! こちらのネックチョッパーは凄いですよ!
製作物にスキルを付与できるスキル、「クラフトマスター」で範囲攻撃の範囲を犠牲にすることで威力を跳ね上げる「収束」を付与、爆風の方向を限定することで強烈な貫通力を得ることに成功しました!
見た目も投げやすさを考慮した矢じり型で、暗殺ゲーから鍛え上げた投擲技術を存分に発揮できます!
矢じり型の先端部に一定の衝撃が加わると起爆し、約幅30cm,距離50cm前方、極狭い範囲に強烈な刃状の衝撃波を放ちます。
その結果何が起こるかといいますと……ぶっちぎれます。当たった部分が消し飛びさながらギロチンが通ったようにズっバーンと。
ゆえに首斬り……ネックチョッパーなのです。
こちらを使って火力不足の序盤の戦闘をスムーズにこなしていきます!
おっと……忘れちゃいけなかった……作:ボンバイエ、「無為の指枷」。こちらも装着。
指輪状のアクセサリーアイテムなのですが、装着中は経験値が取得できない呪いのアイテムです。
「おっさん」では適正レベルは自分±5レベルになるんですが、その範囲で敵を倒さないと一部スキル……とくに一撃で倒せ系の条件が満たせない気がするんですよ、体感。
当面はスキル取得を目標に初心者用レベリングエリアで雑魚狩りをしていくのでこのアクセサリーもまた必須品なのです。ま、普通の方はここまでやらないですけどね。
では早速、初心者向けエリア【ゴブリンの森】に向けて全力駆け足です!
初心者向け装備の補正こみこみで体感時速80km前後……一般道で調子こいてスピード出して免停くらう自動車くらいの速度ですね。
Lv.1でこの速度……今後に期待が持てます!
ビギナータウンから1分足らずで到着、ゴブリンの森!
そして早速第一ゴブリン発見!
身長1m程度の緑色の不細工な小人さんです。
なお現在時刻は日本の標準時で午前4:30……サーバも日本サーバですから初心者エリアといえど人はいません。やはりビルディングは朝マヅメに限ります。
さて、落葉ちゃんのビルド方針ですが……ズバリ!
一撃必殺狙いのアサっシンです!
ダメージ倍増系パッシヴスキルで固めて基礎ダメージの低さを補いますよ!
よって、狙うスキルも既に見繕い、取得条件も判明していたり、未知なスキルも当たりをつけています。
ま、大体は同じ行動を繰り返せばよいのですが。
手探りのファーストキャラではなくセカンドキャラを本命としたのはこの為……プレイ時間を犠牲に経験と情報を蓄積したわけです!
どのくらいが上限かはわからない以上、徹底的にやらせていただきます。
用意したネックチョッパーは1000発。
まずはそれでスキルを増やします。
“気づかれず” “背後から” “先手を奪い” “急所狙いで” “一撃必殺”。これを可能な限り素早く、かつ連続で成功させていきます。
よくあるじゃないですか、素振りしてたら強くなったみたいなヤツ。あれの暗殺verです。暗殺ばっかりしてたら最強になってましたってね。
ゴブリンに限らず、既に大抵のモンスターの視野角は把握済み。しかもゴブリンはヒト型なので急所の位置も首か心臓か頭かと非常にわかりやすいです。何よりここは“森”なのです。
足場、遮蔽物には事欠かない絶好の狩り場……なぜ不人気なのでしょう?
合理と狂気は両立します。
最終的な効率化の為の病的なまでの基礎反復は一流のスポーツ選手なら当たり前とも聞きます。
とりあえずゴブリン1000匹、3時間もあればいけるでしょう。
レッツ、アサシネイション!
……というわけで、死角からずっと見ていましたよ、ゴブリン君。
落葉ちゃん、最初のキルの栄光を君に上げましょう。
行けや! ネックチョッパー!
ズバッと投擲された矢じり型の投擲爆雷がコンマ秒で15m先のゴブリンのうなじに接触……その瞬間、ゾン……とゴブリンの頭と胴体の繋ぎ目にミリ単位の隙間が出来あがりました。
爆発音は無しです。何せコイツは暗殺用なんでね!
だるま落としの様に、スンと首が僅かに落ちて、まるでまだ生きてるように立ったままのゴブリンは数瞬の後、ハラハラとエフェクトを残し消えていきました。
ん、いい感じ!
このまま次の獲物を……ゴブリンを探しましょう!