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悪徳王子は死のループで得た知識と経験で、破滅エンドに立ち向かう
悪徳王子は死のループで得た知識と経験で、破滅エンドに立ち向かう
甲賀流
異世界ファンタジーダークファンタジー
2025年08月09日
公開日
1.7万字
連載中
「これだから、悪徳貴族は嫌いなんです」 そう耳元で囁いたのは金髪の新人メイド、シュエラ。 その刹那、冷たい刃が僕の喉を裂き熱い血が溢れる。 これが十度目の死だった。 ディアゴルド公爵家の三男・セシルは、メイドのシュエラに殺されるたび、同じ朝に巻き戻る死のループに囚われていた。 なぜこんなことが起こっているのかは分からない。 だけど決まって死に戻るのは、新人メイド、シュエラがディアゴルド家にやってきた日の朝。 なぜ彼女が僕を殺すのかも分からない。 ここまでの九回、金貨を与えたり、特別待遇を与えたり、地位まで約束してもダメだった。 だったら次は『優しさ』だ。 優しさの仮面を被って、君の心を掌握してやる。 まだ見ぬ明日を、そしてゆくゆくはディアゴルド家の次期当主になってやる。 これは僕が死のループを繰り返すことで、公爵家の当主になるまでの話だ。

第1話 十度目の今日

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