第4節 リリー説得する
サーラはうれしくて朝から あれと これとーと 準備を始める
「神子様 私がいたします
かっとんでくるルキオが後をくっついてまわる
いいからいいから
ルキオ朝からいそがしかったんだから
長椅子にルキオを座らせると 腕まくり
よーし お弁当はー
「大神官様がご用意くださると」
きゅんきゅん
リリーがくっついてまわる 何とも可愛らしい
サーラがとまると
ポテンとお座りをする
「リリー」
サーラは撫でくりまわした
いい匂いだ
昨日お風呂に入ったのだ
リリーだっこしていい?
サーラが聞くと
うみ?
と小首を傾げる
だっこ
膝をしめすと
リリーは臆する事なくのぼってくる
そしてサーラを頬をなめた
リリーってば……
サーラは高い高いすると
「一緒いこうね――」
とほほえんだ
神子様溺愛し過ぎです
躾もされませんと
はーーい
神官が苦笑
「神子様」
輝くばかりの美しさであった
銀の髪に紫の瞳
そして額のサークレット
指輪にネックレス
華美に飾り過ぎよカームにはいったが
「星の神子なのですから もっと華美でもよろしいくらいです」
つっぱねられて
「ルーテルー ルキオー」
お泣きついたのだった
まあ
いけるだけいいでしょ?
ルーテルにいわれて
白絹のワンピースにきがえる
汚しそう
はあ
リリーがきゃわんとサーラに抱きつく
「お散歩もね中庭だけじゃね……リリー?」
リリーは くんくんと
耳をなめる
くすぐったいってば
「本当にリリーは説得するの上手ね」
キャハハ
リリーに なめまわされて サーラもしょうがないと服装の件は諦めた
しかし
神官兵10人ついてくるってどうなのよ
サーラプンプン
「私たちだけじゃダメなの?」
あの辺は熊や 山賊もおりますので
「山賊?」
聞いてなかったけど
でるのならしかたない
「過去の民は希少ゆえ狙われやすいのです
故に…………神子さま?」
「へ?」
リリーの肉球をぷにぷにしていたサーラ
「おわかりですか!お立場というものを」
しかられたけど
ピクニックの為にここは怒らない
はーい
「神子様」
「はい カーム大神官」
「ふざけていらっしゃる!」
わかりましたカーム
サーラが息をおとした