十二歳の誕生日、僕の目の前で、大勢の人間の命が散っていった。
「子どもだけでも逃げろ!」
「痛い! 痛いよ……い、嫌だっ、死ぬのは……嫌……」
「ぎゃああああああああああああああああ」
今でもまぶたの裏を呪う、割れんばかりの悲鳴、血飛沫、逃げる村の人々。倒れている人間の、ほとんどの顔と名前を知っていた。見知った顔から生気が失われていくさまを、崩された家の瓦礫の下から、僕は見ていた。
幸か不幸か、足は潰れていて、声は出なかった。育ての親が目の前で殺されていくその瞬間でさえ、硬直した体は瞬きを許してくれなかった。
今でも思う。
なんで僕だけが生き残ったんだろう。死んでいった村の人たちと僕に、一体なんの差があったのだろう。
僕が生きていることに、残されたことに、何か意味があるんだろうか。
そんなことを、今でもずっと、考えている。