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物語6「古井戸」

 1題目「母親」


 物心がつく頃から実家に使われてない古井戸があった。

 父親が死んで実家に戻ると俺は介護する母親を殺してしまった。

 つかれていたからな。

 だから、その遺体を古井戸に投げ捨てた。

 しばらくすると俺の前に彼女が現れた。


 母親 終


 2題目「彼女」


 彼女は最悪な女だった。

 殺してる現場を見られてあげくにゆすりをかけていたからな。

 なのでスキを見て殺した。

 その遺体を古井戸に投げ捨てた。

 しばらくすると妊婦の妹とその赤ん坊の息子が訪ねてきた。


 彼女 終



 3題目「妹」


 妊婦の妹はどうやら夫と離婚して赤ん坊の息子を連れてきた。

 ようはシングルマザーだな。

 しかし、困ったなと思った時に前の夫がしつこく押しかけてきた。

 妹夫婦が言い争う中、妹は夫を殺してしまった。

 そこで警察沙汰になりたくない俺と妹はその遺体を古井戸に投げ捨てた。


 妹 終


 4題目「俺」


  妹は出産して女の子を産んだ。

 俺と妹とその息子と娘の奇妙な4人暮らしを十数年経過した。しばらくして子供達は自立して家を出ていきその同居の妹は要介護になってしまった。

 邪魔になった妹を殺そうとすると、死んだはずの生前の彼女が現れて逆に拘束されてしまった。

 その彼女は俺を生きたまま古井戸に投げ捨てた。

 その古井戸には助けを求める彼女達がいたから……。


 俺 終


 母親へ続く

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