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第26話 クレヨン

流れ星がいくつも流れている。

淡い青色の光を放ちながらそれを見ているのは、異形の動物だ。

私はそれを絵に保存する。

白色のクレヨンで縁取りしながら、流れ星を大きく描いて強調する。もちろん青色も使って、さらには水色でグラデーションもつける。

全体の色は紫色にする。実際にはそんな色ではないのだが、絵なのでしかたない。

私は描きながら、あの異形の動物は何だろうかと思う。

鹿でもないし、牛でもない。強いていえば「麒麟」なのだが、何ともいえない。

結局、私はそれをデフォルメして描くことにする。かわいいキャラクターのような生き物。

できあがったものを見て私は満足する。しかし現実の光景とは決して同じではない。

要するに、絵は見たままにはならないのだ。

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