どこからも歓迎されない私は、そんな社会に憤り、さまざまなことに参加しない運動を一人で始める。
店ではいい顔をされないので、店には行かず、すべて自給自足するようにする。集まりでは排除されるため、そうした集まりにも行かないで、ずっと家にいるようにする。
初めはよかったが、次第に退屈になってくる。しかも自分ではできないことも多く、不便なことこの上ない。
唯一許していた散歩をしていると、道行く人たちが羨ましく思えてくる。そして、さまざまな店に入っていく人に嫉妬するようになる。
そこで私は、みな対価を支払っているのだと気づく。不機嫌を買うという対価。
払うのに買うという対価はおかしな話だが、要するに、軋み合いながらともに生きているのだ。
何もいい顔をするだけが人間ではない。
ところで、そうして始めた自給自足生活は急にはやめられない。森の中で一人で暮らす毎日。
今日も日が落ち、月が出る。雨が降り、やがて上がる。