私は地球から、異世界に生まれ変わった。
この世界の名前はよく分からない…
何故なら、国や地域によって呼び名が違っているから…
ちなみに、私の国ガミーラでは、"ティルシオ"と呼ばれている。
ティルシオには、魔法があり、魔物もいれば、魔族も居る。
そんなティルシオの世界を私は転生先として結構気に入っていた。
私の生まれた家は貴族の侯爵家で、ハーティス侯爵家と言う。
私はセフィラ=ハーティスとして生を受けた。
次女で、いずれは姉メイナスの右腕として家を継ぐ事になっていたし、許嫁も決まっており、順風満帆だった。
その日までは…
その日、難しい顔をした神官がやってきた。
この間のスキルの予言を受けたのだろう。
神官は言った。
「恐れながら申し上げます。
セフィラ様のスキルは『液体』という物でございます…」
「え、液体…?
なんだそれは…!?」
よろける父。
「あなた!
しっかり!
…っ!
この面汚し!!!」
ヒステリックに叫ぶ母。
この日から私はハーティス侯爵家の面汚しとなったのだ…
しばらく部屋に閉じ込められたのち、私は父に呼び出された。
「お前には悪いが、この家から出て行ってもらう…」
来たわね…
素直にそう思った…
「周りにはお前は戦争で殉職した事にする。
それで、せめてものプライドが守られるだろう。」
いや、守りたいのはあなたのプライドじゃないの!
私は心の中で突っ込んだ。
「お前は隣の隣の国ニクソンのある屋敷の奉公として過ごしてもらう。
平穏に過ごせ…」
そう言われた。
私は反論する事も無く、一礼して部屋を出た。
馬車がやってくるまでに素早く荷物をまとめて、馬車に乗った。
こうして、17年間生まれ育った家を後にした。
いや、追放された、のね…