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第23話 花火の準備

とにかく私はTシャツにジーンズという動きやすい格好で、髪をポニーテールにして、暁さんについて行った。


隅田川の土手に、沢山の屋台が準備していた。


なるほど、花火の準備、ね…


私はなんとなく納得して、暁さんに付いて歩く。


「おい、カシラがおいでだぞ!」


「おぉ!若頭!

ぜひ、うちの店を見ていってくだせぇ!」


屋台の人々は、暁さんを見て活気立った。


若頭…

つまり、組のNo.2…

そっか…


私なんか相手にされるはず無いわ…


そう囁いたのは、悪魔ではなく私自身だった。


「夜宵、ちょっと屋台の組み立てを手伝ってくるから、お前遠くに行くなよ!」


「子供じゃ無いから、わかってるわ。」


しかし、何となく直ぐには終わりそうも無かったので、土手をぶらぶらしていた。


「あれ?」


私は銀髪の男性を見とめた。


「おや、夜宵さん。

また、金魚のフンのように暁さんについて回ってるのですか?」


相変わらずの毒舌だ。


「…話があるの。」


「私はありませんが、5分だけ。」


そう言って神桜さんは、若い衆から抜けた。


「んー!

土手を散歩するのは、久しぶりだわ!」


「話とは?」


「…もしも、絶対に自分を見てくれない人を好きになったら…神桜さんなら、どうしますか???」


「…例え話ですよね?」


「もちろん。」


「諦めて、ずっと側に居られる方法を考えますかね?」


なるほど、それでヤクザに…?

とは、聞けない。


「ずっと側に…

だけど、それって苦しく無いの?


側に居ても、触れる距離でも、抱くことも抱かれる事も叶わない…」


「ふん。

その覚悟が無いのなら、さっさと田舎へお帰りなさい。

片道切符は用意しますよ?」







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