そうして、お月見会が楽しく始まった。
八雲さんがヤクザあるあるや、馬鹿っぽい話をして場を盛り上げ、私達は楽しい時間を過ごした。
料理は大体食べたので、窓辺のリビングで、お酒を飲んで月を見ながらまったりしよう、と言う話になった。
その時、日本酒を一気に飲んだ暁さんが話を切り出した。
「そう言えば、面白い物を手に入れたんだよ。
台湾のマフィアから、な。」
「面白いもの?
何だよ?」
八雲さんが乗る。
「これだよ。」
暁さんは、懐からやや大きめのナイフを取り出した。
ヤクザ的には、ドスというのだろうか?
私はびっくりして固まる。
「どこが面白いんです?」
神桜さんは、冷静にそう尋ねた。
「これさ、ロシアンナイフなんだよ。
ここに、1〜4のダイヤルが付いてるだろ?
どれか一つに当たれば、ナイフが飛び出すんだよ。」
暁さんは、説明する。
「へぇー。
ロシアンナイフ…か。」
八雲さんも平然とそう言った。
「どうだ、神桜。
勝負しないか?」
暁さんは言った。
「…良いですけど、何を賭けて?」
「何も。
どちらに運があるか、やろうぜ…?」
え…?
ちょ、ちょ、ちょっと待って!
なんでそうなるの!?!?
「ちょっ、冗談キツい…」
私は口を挟む。
「やりますよ」
神桜さんがワインを飲み干してそう言った。
「そうこなくっちゃ。
先攻、譲ってやるよ。」
暁さんが神桜さんにナイフを渡す。
うそ…
なんで…
どうしよ…!?
私は泣きそうになる。
神桜さんはダイヤルを回すと、ナイフを心臓に向け、引き金を引いた。
カチッ…
外れのようだ。
「やるな。」
暁さんがナイフを受け取る。