「要らないわ…
なぜ、あんな勝負を…」
「…そんな事も分からないのですか?
アレは…
いえ、何でもありません。
ヤクザとはこうゆうものです。」
「運試しに命まで賭けるなんて、馬鹿げてるわ。」
「ロシアンチョコレートした人に言われたくありませんね。
夜宵さん、暁さんは最後までロシアンナイフをやりましたよね。
もし、私が最後に残っていたとしても、きっと同じことをするでしょう。」
「…自分にナイフが突き刺さるとわかってて、引き金を引くというの?」
「そうです。」
「馬鹿みたい…」
私は、どっちが最後になってもきっと泣いたと思う。
でも、それは言わなかった。
「夜宵さん、私達は本当にいつ死ぬか分からないんですよ。
だから、その一瞬一瞬を大切にして下さい。
もしも、私を選んでも、暁さんを選んでも…」
「嫌よ!
死ぬなんて言わないで!
私の事が好きなら、私のために生きて!」
私の声は泣き声に消えて行った。
「…夜宵さん…」
神桜さんは、どうしようもないというような切なげな表情で、泣く私の髪の毛を撫でた。
「しばらくは、暁さんの看病をしてあげて下さい。
さて、食器も洗い終わりましたし、私は失礼しますよ。
だけど…
いつもあなたの事を想っています。」
神桜さんはそう言って帰っていった。
暁さんは、三日間寝続け、そして、1週間でやっと歩けるようになった。
私はずっと、暁さんのそばで看病した。
「しかし、俺も運が良いのか、悪いのか?」
「悪いに決まってるじゃない!
おねがい、もう無茶しないで…」
「ヤクザに無茶しないで…か…笑
無茶するのが、俺たちの仕事なんだよ、夜宵。」
暁さんは私の髪の毛をクシャッとして言う。