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第74話 デート?

私はその日退屈していた。


昨日も会社だったのに、今日も居ないし…


やっぱり、行かないで!って言えば…


ううん!

キャラじゃ無いし!


どうしようかな…?


神桜さんの所に行ったら…

きっと期待させちゃうし、またキスされたりしたら…


色々考えて、行けなかった。


その時、インターホンが鳴った。


神桜さんだ…!


ど、ど、どうしよう!?

って、普通でいいのか!


私は玄関を開けた。


「あの…

今、暁さん居なくて…」


「そうですか。

会社の書類を渡しに来たんですけどね。」


神桜さんは普通そうにそう言った。


「えと、昼だけって言ってたから、もうすぐ帰って…」


と言ってる途中で、暁さんからLINEが入った。


『遅くなる。

夕飯はいらない。』


私はそれを見て、がっかりした。


一体いつ家に帰ってくるのだろうか?


「夜宵さん、私とデートしませんか?」


神桜さんの声が上から降ってきた。


「え…

デート…?」


「そう、どうせ、暁さんが遅くなるなら、それまでに帰ってくれば良いでしょう?」


「それは…

そうだけど…」


「行きましょう。

さぁ。」


神桜さんは私の手を取り、引っ張っていく。


暁さんとは違う体温の低い僅かに冷たい手だった。


私達は手を繋いだまま、駐車場に降り、神桜さんの赤のフェラーリに乗った。


「さぁ、お姫様。

どこに行きますか?」


「んー…

渋谷の109に行ってみたいんだけど…」


私は言ってみる。


「仰せの通りに。」


神桜さんはニコリと笑ってエンジンをかけた。


「神桜さんて、人混みとか嫌いじゃ無いの?」


なんとなくそんな気がした。


「まぁ、あまり好きではありませんね。

でも、好きな人が好きな物は好きになるタイプなんですよ。笑」


そのストレートな言葉に私は若干赤くなる。








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