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第75話 洋服

フェラーリはあっという間に渋谷に着き、パーキングに停めて私達は109に向かった。


「洋服…ですか?」


「うん、そう。

ネットで秋物買おうと思ってたけど、やっぱりサイズとか分からないし…


うーん、すごいお店ある!


あ、あそこ、入ってもいい!?」


「良いですよ。」


私は長袖の白シャツと、モスグリーンのカーディガン、デニムのジャケットに、シルバーのベロアのスカート、ワインレッドのワンピースをカゴに入れた。


お金…足りるけど、冬物もいずれ買わなきゃだから、あんまり買えないよね…


と、思っていると、神桜さんがカゴを取り上げてお会計してしまった。


「か、か、神桜さん!

お金払います!」


「年上にはもっと甘えるべきですよ。

洋服で破産はしませんから、好きなだけお買いなさい。」


「神桜さんは、私のこと甘やかし…す…ぎ…」


と言ったところで、顎をクイッとあげられ、軽くキスされた。


「これが代金ですよ。」


「こ、こ、こんな所で、もうっ!」


私は赤面して、神桜さんをポカポカ叩いた。


「ははっ。

降参こうさん!

もうしませんよ。


人前では、ね?」


神桜さんは瞳を三日月にして笑った。

その笑顔はどこかの美しい絵画の中のようだった。


買い物を終えた私達は、洋服を車に乗せ、渋谷の街を散歩することにした。


その時。


「あー…

こっちの道にしませんか?」


神桜さんが言う。


「えっ?

あっちの方が賑やかですよ?」


私が賑やかな方の道を見ると…

そこには…
















ラブホテルに入る暁さんと知らない女性がいた。











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