な…ん……で…?
そっか…
私なんかお呼びじゃ無いんだ……
私の瞳から涙が溢れ落ちる。
それを見た神桜さんは、私を抱きしめた。
同時に雨も降り出したけど、どーでも良かった。
傘を買いますか?と聞く神桜さんに首を横に振ると、私はずぶ濡れになりながら、フェラーリまで歩いた。
私の心の中も土砂降りだった。
私は窓の外を眺めながら、泣いていた。
そんな私の右手を神桜さんの冷たい左手が握り、彼は言った。
「そんな状態のあなたをあのマンションに帰したくありません。」
「私も…帰りたく…無い…」
だけど、行く当てなんてなかった。
「私が白金に持っているマンションに行きましょう。
そこなら、暁さんも知りません。」
そして、マンションに着いた。
「シャワー浴びてください。
風邪引きますよ?」
「…私馬鹿みたい!
だって…
だって…
勝手に大事にされてるんだって思って…
暁さんは私の事、本当におもちゃとしかっ……!」
「………。」
神桜さんは、困ったように沈黙する。
「どうして何も言わないの?
馬鹿だなって言えば!?
神桜さんだって、私の事…
面白半分で…!」
「それ以上言うと怒りますよ?
私は面白半分で、好きだと言うほど、軽くありません。」
「…ごめんなさい…」
「良いから、シャワーを。
その間に洋服を乾燥機にかけていますから。
それから、また、泣けば良い。」
私は浴室で、温かいシャワーを浴びた。
その時だけは、シャワーが私の涙を洗い流してくれた。
私はまだ、乾燥機が動いていたので、モコモコのバスローブを羽織って浴室を出た。