「あぁ。
まだ、乾いて無いんですね。
おいで、髪乾かしてあげますから。」
神桜さんは、言う。
「え…
髪ぐらい自分で…」
「良いから。
おいで。」
私は神桜さんの大きな手で髪を乾かしてもらった。
ドライアーの熱は、適度に心地よく、私を眠気が襲った。
「終わりました…よ…
って、寝るんですか!?
全く手がかかる人だ…」
神桜さんが私を抱えている。
だけど、私はどっと疲れていて、目が開かない。
おそらく、ベッドに寝かせられた。
「あか…つ…き…さん…
どう…して…?」
私の頬を一筋の涙がなぞった。
その涙を神桜さんの指が拭いとる。
そして、ドアが閉まる音がした。
私は3時間ほど眠っていたらしい。
ここは…
そうだ、神桜さんのマンションだった…
目を覚まして、リビングに向かった。
「あぁ、起きました?
乾燥機から洋服出してるので、着替えてきてください。」
「暁さん…
私が急に居なくなって、びっくりしてる…かも?」
オモチャなんて、いなくなっても、困らないか…
「大丈夫。
連絡しておきました。
好きなら迎えに来い、と言っています。」
「じゃあ、迎えに来ないね…」
私は呟いた。
「良いから、着替えてきてください。
バスローブ1枚で居られると、襲ってしまいますよ?」
悪魔のように微笑んだ神桜さんが言う。
「き、き、着替えます!」
私は乾燥機に直行する。
元の服に着替え終わり、リビングに戻ると、神桜さんはJ-POPの音楽をかけながら、料理をしていた。
暁さんといい神桜さんといい、料理するんだなー。
ヤクザって。
なんか、子分に作らせてるイメージだけど。