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第77話 心地いい

「あぁ。

まだ、乾いて無いんですね。


おいで、髪乾かしてあげますから。」


神桜さんは、言う。


「え…

髪ぐらい自分で…」


「良いから。

おいで。」


私は神桜さんの大きな手で髪を乾かしてもらった。


ドライアーの熱は、適度に心地よく、私を眠気が襲った。


「終わりました…よ…

って、寝るんですか!?


全く手がかかる人だ…」


神桜さんが私を抱えている。


だけど、私はどっと疲れていて、目が開かない。


おそらく、ベッドに寝かせられた。


「あか…つ…き…さん…


どう…して…?」


私の頬を一筋の涙がなぞった。


その涙を神桜さんの指が拭いとる。


そして、ドアが閉まる音がした。














私は3時間ほど眠っていたらしい。


ここは…

そうだ、神桜さんのマンションだった…


目を覚まして、リビングに向かった。


「あぁ、起きました?

乾燥機から洋服出してるので、着替えてきてください。」


「暁さん…

私が急に居なくなって、びっくりしてる…かも?」


オモチャなんて、いなくなっても、困らないか…


「大丈夫。

連絡しておきました。


好きなら迎えに来い、と言っています。」


「じゃあ、迎えに来ないね…」


私は呟いた。


「良いから、着替えてきてください。

バスローブ1枚で居られると、襲ってしまいますよ?」


悪魔のように微笑んだ神桜さんが言う。


「き、き、着替えます!」


私は乾燥機に直行する。


元の服に着替え終わり、リビングに戻ると、神桜さんはJ-POPの音楽をかけながら、料理をしていた。


暁さんといい神桜さんといい、料理するんだなー。

ヤクザって。


なんか、子分に作らせてるイメージだけど。












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