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蒼月のエレメント新章ルナマーレの恋
蒼月のエレメント新章ルナマーレの恋
古都綾音
異世界恋愛ロマファン
2025年08月27日
公開日
5,530字
連載中
シャリーとライト様の新婚旅行!エンドもお相伴しちゃった ドタバタロマンス! シャリーが初めてライト様呼び捨て!真っ赤かなシャリーちゃんシャリーのハートは壊れちゃう️️?

プロローグ


プロローグ


 カチリ……

 金のスプーンが音をたてる……

 シャリーは ちょっと気どって 真っ白なカップに入れられた ラテを飲んだ

 美しいラテアート

 月のアート

 脇には 銀製のトレイに 渦巻き模様の シュガークッキーが 3枚……お洒落に並べられていた

「シャリー」

 ライト様が そっと歩いて来て 白いカサブランカを差し出す

「クッキーなのー!」

 ぶんぶか 細い手を振り回し

 輝く羽を 揺らして ライト様の肩を 滑るのは エンド

「シャリー!わけっこするのー!」

 カサブランカの花粉を 浴びながら

 エンドが きゃーと 飛びついた

 白いシャリーのワンピースに ぺっちゃり手形

「エンド……」

 ライト様が 苦笑した

 そして

 シャリーの 帽子に カサブランカを さす

「似合うよ……」

「ありがとう……」

 2人は 白い客船に乗っていた

 ルナマーレ号……

 これから向かう港町の名前だ

「今夜は花火大会だそうだよ……」

 そう言うライト様は 白い シャツを着ている

 スラックスも 美しい白だ……

「花火なのー」

 エンドが とけた砂糖でお口をベッタベタにしながら

 にぱと笑った

 波が静かだ

 ルナマーレ号は 波を分けながら 白い街並みの

 港へと入って行く

「どうぞ……お嬢さん……」

 陽気な道化師の おじさんが バルーンアートを 差し出した

 プー……なのー!

 エンドが 大喜び……!

 ほっぺ ぷっくりしてシャリーの 笑顔を 誘った

「ぷくーなのー」

 シャリーが あわせて 小首を傾げた

 ライト様は 輝く宝石でも見るような目でシャリー達を ながめると バックを 背負う……

「私も」

 シャリーが 小さなボストンを持とうとする

「いいよシャリー……」

 ライト様が ふ……と 取り上げてしまう

 ほらご婦人方

 船が着くと

 桟橋に 足場がかけられた

「気をつけるんだよ!」

 おっとっとなのー

 エンドが きゃっきゃと はしゃぐ

 港の周りは商店のようだった

「ようこそ……」

 体格のいいおばさんが 3人を 迎える

 ギターを抱える楽団が 陽気に歌った

「ようこそルナマーレへ」

 会う人……会う人が笑いかける

「あったかいところね……」

 シャリーが 笑った

 天下のルナマーレだからな……

 ライト様は 楽団に 笑顔を 向けて

 そっと銀貨を 差し出した

 彼らは

 丁寧に腰を折る

「良き旅を……」

 エンドが 手を振ると 楽団の 青年も 手をふった

「エンド……」

 シャリーは ふふと 笑うと エンドの 顔を 拭った

 カサブランカの花粉点々……

「えへへなのー」

「もう……」

 子供と 母親のようなやり取りに ライト様が 目を細める

「仲がいいな……」

 一心同体なのー……!

 エンド

 にっこり

 ふと……風がふいた

 シャリーの金の髪が巻き上げられ

 エンドの お鼻を くすぐる!

 ムズムズ……

 くっちゃん!なのー

 鼻水を 垂らすと エンドが 笑った

「おやまあ……」

 ライト様は ふ……と ハンカチで 拭ってやる

「ライト様汚れますから」

「かまわない!」

 ふ……

 エメラルドの瞳を艶めかせると シャリーを 視線でくすぐる

「ライトでいい……シャリー!夫婦だろう」

 腕がシャリーの肩に回る

 シャリーは真っ赤になった

「あ……あ……の……」

「なんだい?」

「ラ……ライト……」

 言ってからぴょこたんぴょこたんと 頭を下げる

「ご……ごめんなさい」

 シャリー真っ赤っかなのー!!!

 エンドが 2人の まわりを くるりんと 飛んだ

 真っ赤なのー!

 それで更に真っ赤になるシャリー!

 熱でもでそうだ

 ふ……

 ライト様が 唇を ゆるめた

 そして額に キス……

 ポン……

 バルーンアートが 2人の間に揺れる

「あ……あの……」

「嬉しいよシャリー!エンド!妻をあまりからかわない!倒れられては困るからね……」

「真っ赤っかなのー」

 言おうとしたエンドを シャリーが 抑えた

「もう……」

 笑顔である

「えへへーなのー……」

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