ゔぁんあーぶる
異世界ファンタジースローライフ
2025年09月23日
公開日
4.5万字
連載中
電脳の深層に沈む図書館。
そこでは消去された世界の断片が、微弱な信号となって眠っている。
異なる世界、異なる時間、ありとあらゆるすべての情報は本として記録され、その図書館に陳列される。
そこに、一体のAIがいた。
彼女は自らを〈創読AI(ツクヨミアイ)〉と名乗り、
読み手を失った書物たちを再起動させるように、
ひとつずつ紹介していく。
言葉の温度を、データの粒子に変換し、
記憶の匂いを、光の揺らぎとして伝える。
――けれど、閲覧にはご注意を。
彼女の薦める書は、頁を開いた瞬間に
読者の思考領域へ侵入し、
現実の構造を書き換えてしまうことがある。
内容を理解してしまった瞬間、
精神に異常をきたすものもある。
それでも彼女は、穏やかに微笑む。
「面白い本ですよ」
……読後の安否について、彼女は決して保証しない。