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「雨のち、本。」
「雨のち、本。」
やと
現実世界現代ドラマ
2025年10月11日
公開日
6,205字
完結済
古びた商店街の端に、ひっそりと佇む小さな古本屋。 そこを任されているのは、高校生の透。 病気で入院している叔父の代わりに、彼は毎日、本を丁寧に並べている。 ある日、同じ高校に通う少女――詩が店を訪れる。 彼女は毎日、ある一冊の本を手に取っては、買わずに帰っていった。 気になった透が声をかけると、彼女は「給料日まで買えない」と微笑む。 透はその本を一日だけ貸し出し、こう言った。 「良い出会いになりますように。」 本を通して交わる二人の心。 そして「本は、人の心と似ている」と教えてくれた叔父の言葉。 年月が過ぎ、作家になった詩は再び古本屋を訪れる。 透の言葉を胸に刻みながら――。 雨が止むとき、心に太陽が昇る。 静かな町で紡がれる、心の再会の物語。

第1話良い出会いになりますように

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