「雨のち、本。」
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あらすじ
詳細
古びた商店街の端に、ひっそりと佇む小さな古本屋。 そこを任されているのは、高校生の透。 病気で入院している叔父の代わりに、彼は毎日、本を丁寧に並べている。 ある日、同じ高校に通う少女――詩が店を訪れる。 彼女は毎日、ある一冊の本を手に取っては、買わずに帰っていった。 気になった透が声をかけると、彼女は「給料日まで買えない」と微笑む。 透はその本を一日だけ貸し出し、こう言った。 「良い出会いになりますように。」 本を通して交わる二人の心。 そして「本は、人の心と似ている」と教えてくれた叔父の言葉。 年月が過ぎ、作家になった詩は再び古本屋を訪れる。 透の言葉を胸に刻みながら――。 雨が止むとき、心に太陽が昇る。 静かな町で紡がれる、心の再会の物語。閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-10-11 17:51創意工夫ありし者創意工夫ありし者作者のひとりごと作者のひとりごと
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クロリザル
クロリザル売れない小説家・慎太郎は、鬱病の治療のために入院していた。 そこで出会ったのは、脳の重い病を抱えた少女 明るく振る舞う彼女だったが、その病は進行すれば記憶を失い、いずれは命すら危ういものだった。 ある夜、少女は慎太郎に一冊のノートを託して言った。 「私が私だった証が、全部ここにあるから」 それは、少女が綴った「やりたいことリスト」だった。 旅行に行く、小説を書く、誰かにお礼を言う――。 そして、最後のページには、 少女は間もなく病室で亡くなり、慎太郎の胸には深い喪失感が残った。 退院した慎太郎は、彼女の夢の続きを叶えるように旅に出る。 広島、北海道…さまざまな土地で人々と出会い、互いの孤独や傷に触れながら、慎太郎は少しずつ「書く意味」を取り戻していった。 数か月後、彼の小説**『優しさの首輪』**は10万部を突破し、大ヒットとなる。 母校での講演も決まり、かつて彼に深い心の傷を与えた人々の前で、本当の気持ちを言葉にする勇気も持てるようになった。 そして――。 『優しさの首輪』の書店サイン会を終えた慎太郎は、一人、吹雪の北海道の岬にいた。 ポケットには、少女のノートと、はな、智春との出会いが慎太郎を変えていく。 ノートの最後のページに書かれていた言葉が、慎太郎の胸に響く。