パレット太郎
歴史・時代江戸・幕末
2025年12月25日
公開日
2,713字
連載中
罪を斬る。理を斬る。そして、己の正しさすら斬る──。
時は江戸・寛政の世。
「試し斬り」──罪人を斬り捨て、その刀の斬れ味を証明する恐るべき役目。
その刃を振るう者の名は、
山田浅右衛門。
抜けば命が消えると畏れられる“斬罪師”。
だが本人は、蕎麦を愛し、金に困り、隣人にツッコまれる町人顔。
──それでも斬るのは、“斬るべき者”だけ。
血塗られた奉行所の裏側。
密やかに横たわる権力と腐敗。
その隙間で、誰にも知られずに人知れず、人を守る剣がある。
浅右衛門と共に生きるのは、寡黙な元旗本・帯刀 隼人。
己の過去に斬られた男が、それでも“斬らぬ道”を貫く理由とは──
斬ることでしか守れない。
笑いながら、怒りながら、それでも正しきもののために剣を抜く。
これは、
「法」では救えぬものを、「刃」で裁く者たちの記録。