目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報
明治あやかし警察録
明治あやかし警察録
麦狼
歴史・時代日本歴史
2025年12月27日
公開日
1,433字
連載中
明治初期。 徳川の世が終わり、警察という制度すら形を成していない時代。 不平士族の怨嗟と、戦の死臭に引き寄せられ、 夜の東京には人ならざるもの――あやかしたちが跋扈していた。 上野戦争の夜。 無数の屍と狐火が浮かぶ戦場で、 人の魂を食わず、ただ涙を流す半妖の狐がいた。 名を、朔也という。 彼は、人であり、妖であり、 どちらにもなりきれぬ存在。 それでも彼は「人の側に立つ」ことを選ぶ。 その異端に目を留めたのが、 後に警視庁を創設する男・川路利良だった。

第1話 月のない夜に、狐は立つ

loading