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辺境の宿屋に左遷された元軍師、 客の愚痴を聞いていただけなのに国を救う作戦が完成していました
辺境の宿屋に左遷された元軍師、 客の愚痴を聞いていただけなのに国を救う作戦が完成していました
早田 陣
異世界ファンタジー内政・領地経営
2026年06月14日
公開日
3万字
連載中
「三日後、この砦は落ちる。なら、俺はこの宿から止める」 王国軍の作戦参謀アルト・レイヴァンは、味方の犠牲を減らすため撤退を進言したことで、「臆病者」の汚名を着せられた。 勲章も軍権も剣も奪われ、左遷された先は、借金まみれの辺境宿《渡り鳥亭》。 そこで待っていたのは、容赦のない女主人ミラと、客たちがこぼす他愛のない愚痴だった。 「北道だけ荷車が泥に沈む」 「狼煙台の薪が濡れて使えない」 「山鳥が一斉に南へ逃げた」 一つひとつは、どこにでもある不満にすぎない。 だがアルトがそれらをつなぎ合わせた時、敵軍による奇襲作戦の全貌が浮かび上がる。 軍に警告しても、左遷された男の進言は握り潰された。 ならば使うのは、宿帳、料理、旅人の靴についた泥、商人の荷車、そして客たちの愚痴。 パンの苦みから兵糧の横流しを暴き、鉱夫の沈黙から違法採掘を見抜き、疫病の噂に隠された毒を突き止める。 やがて小さな宿屋は、王都の軍部さえ持たない巨大な情報網へと成長していく。 これは、臆病者と呼ばれた元軍師が、誰も駒にせず、戦わずに国を救う物語。

第1章 左遷初日、三日後に砦が落ちる

第1話「臆病者の左遷」

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