乾為天女
異世界恋愛ロマファン
2026年09月18日
公開日
3,199字
連載中
王都最大の祭典で事故が起きた。
企画官グレイシーに向けられたのは、「お前の判断ミスだ」という非難。そして追い打ちをかけるように、かつて結婚相手になるはずだったシルヴィウは、別の令嬢アドエイルアとの道を選ぶ。
仕事も立場も失ったグレイシーが見つけたのは、事故衣装の――掛け違えた一つのボタン。
なぜ仕様が変わったのか。
なぜ部署ごとに「最新版」が違ったのか。
なぜ変更記録は消えたのか。
調べるほど、事故が一人の失敗ではなく、王都を覆う情報分断によって作られたものだと分かっていく。
そんな彼女に手を貸すのは、王立文庫で出会った正体不明の知識人イアルド。
だが彼自身にも、かつて事故の真実を知りながら、それを十分に公表できなかった過去があった。
誰かのために情報を隠すことは、愛なのか。
誰かを守るために責任を消すことは、絆なのか。
失敗も、名前も、責任も隠さずつなぎ直しながら、グレイシーは王都そのものの仕組みを変えていく。
これは、捨てられた席へ戻る物語ではない。
自分で新しい席を作り、自分で未来を選び直したヒロインが、最後に「前でも後ろでもなく、隣に立つ人」を選ぶまでの、仕事と恋の逆転物語。