☆掛け違えたボタンと逆転ヒロイン(金曜日更新中)
連載中最近更新:第1話 掛け違えたボタン2026年09月18日 12:15
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あらすじ
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 王都最大の祭典で事故が起きた。  企画官グレイシーに向けられたのは、「お前の判断ミスだ」という非難。そして追い打ちをかけるように、かつて結婚相手になるはずだったシルヴィウは、別の令嬢アドエイルアとの道を選ぶ。  仕事も立場も失ったグレイシーが見つけたのは、事故衣装の――掛け違えた一つのボタン。  なぜ仕様が変わったのか。  なぜ部署ごとに「最新版」が違ったのか。  なぜ変更記録は消えたのか。  調べるほど、事故が一人の失敗ではなく、王都を覆う情報分断によって作られたものだと分かっていく。  そんな彼女に手を貸すのは、王立文庫で出会った正体不明の知識人イアルド。  だが彼自身にも、かつて事故の真実を知りながら、それを十分に公表できなかった過去があった。  誰かのために情報を隠すことは、愛なのか。  誰かを守るために責任を消すことは、絆なのか。  失敗も、名前も、責任も隠さずつなぎ直しながら、グレイシーは王都そのものの仕組みを変えていく。  これは、捨てられた席へ戻る物語ではない。  自分で新しい席を作り、自分で未来を選び直したヒロインが、最後に「前でも後ろでもなく、隣に立つ人」を選ぶまでの、仕事と恋の逆転物語。閉じる
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ネオ・デビューネオ・デビュー2026-09-18 12:15創意工夫ありし者創意工夫ありし者作者のひとりごと作者のひとりごと
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☆霧見坂の鉛筆食堂(土曜日更新中)
☆霧見坂の鉛筆食堂(土曜日更新中) 外食会社でメニュー開発補助として働いていた奈穂は、自分が考えた甘辛だれのレシピを奪われ、原価計算ミスの責任まで押しつけられる。婚約直前だった恋人の湧輔にも見捨てられ、職場も恋も居場所も一度に失った帰り道、霧に包まれた教会前で倒れている美しい男・和馬を見つける。  奈穂が彼を運び込んだのは、亡き祖母が営んでいた小さな総菜店「鉛筆食堂」だった。財布もスマートフォンも持たない和馬は、焦げたコロッケにかけた奈穂のたれを一口食べただけで味の弱点を言い当てる。腹を立てながらも、奈穂は彼の舌と手際に助けられ、安い食材で笑って食べられるB級グルメの店を昼だけ開くことにする。  ところが、奈穂の味を奪った外食会社グラスローズ・ダイニングは、霧見坂商店街の個人店を安値で買収し、看板料理だけを吸い上げようとしていた。さらに和馬の父方の姓がその会社の創業家につながると知り、奈穂の信頼は砕ける。  それでも奈穂は、怒りを料理だけにぶつけるのではなく、手書きのレシピ、仕入れ帳、鉛筆台帳、証言を集めて立ち上がる。さゆり、聖彩、壱護、昂士、そして過去を隠していた和馬とともに、奪われた味と商店街の未来を取り戻していく。  恋に救われるのではなく、誰と働き、誰のために作り、誰を好きでいるかを奈穂自身が選び直す物語。霧の教会前で拾った出会いは、やがて同じ厨房に並ぶ毎日へ変わっていく。 登場人物一覧 奈穂  外食会社でメニュー開発補助として働いていた三十二歳。安い食材を組み合わせ、人が少し前を向ける料理を作るのが得意。レシピを奪われた後、祖母の総菜店「鉛筆食堂」を再び開き、商店街の味と自分の人生を取り戻していく。 和馬  霧の教会前で奈穂に助けられた男。料理の勘が鋭く、厨房では黙って手が動く。グラスローズ創業家と関わりを持つ過去を隠していたため奈穂を傷つけるが、逃げずに謝り、料理人として彼女の横に立とうとする。 湧輔  奈穂の婚約直前の交際相手で、グラスローズ・ダイニングの広報担当。出世のために奈穂を切り捨てるが、後半では自分のしたことを証言し、奈穂のレシピ流用を明るみに出す。 絵里那  グラスローズ・ダイニングの社内規律担当。規則や体裁を盾に奈穂を追い詰める。買収や衛生検査でも奈穂たちを揺さぶるが、終盤で保身のために規則を使っていたことが崩れていく。
トパーズの指輪と、冷蔵庫の付箋
トパーズの指輪と、冷蔵庫の付箋  結羽は、頼まれると反射的に「大丈夫です」と言ってしまい、職場で雑用と尻ぬぐいを抱え込む毎日。理不尽な責任転嫁が起きても、資料室に逃げて笑ってやり過ごしてきた。指先で祖母の形見のトパーズの指輪をなぞると、胸の奥のざわつきだけが少し静かになる。   ある夜、上階の水漏れで部屋が使えなくなり、段ボールを抱えて廊下で立ち尽くす結羽を、同僚の悠都が自室へ招く。「修繕が終わるまで」と始まった同居生活は、冷蔵庫の棚を半分に分け、付箋でルールが増えていく。洗剤の置き場、音の出る時間、鍋の取っ手の向きまで。几帳面すぎる一言に思わず笑い、夜食のうどんをすすりながら、結羽は“断る練習”を小さく積み重ねる。悠都は小さな助けにも「ありがとう」を言い、結羽が自分で決める瞬間だけ、黙って背中を支える。   しかし会社では、上司がミスを隠すために結羽名義で報告を出し、取引先への謝罪まで丸投げする。結羽が「優しくしてください」と曖昧に頼るほど、相手はその曖昧さに乗ってくる。そこへ新人の慎が「なんで結羽さんが謝るんですか?」と悪気なく質問を連射し、空気が変わる。佳浩はメールの時刻・宛先・添付を淡々と確認し、由梨乃は議事録と段取りで味方を増やす。結羽は、泣きながらでも言い切る——「勝手に名義を使わないでください」「担当範囲を明確にしてください」。   謝るべき点は謝り、押し付けられた部分は否定する。人事への相談、取引先への説明、そして同居の終わりが近づくころ、結羽は指輪に頼らず呼吸できる自分に気づく。最後に結羽は会議室で、自分の声で告げる。恋も仕事も、逃げるためではなく守るために選ぶ——私の幸せは私が決める。   引っ越し当日、冷蔵庫の前で悠都が最後の付箋を貼る。「半分ずつ」は、別れの合図じゃない。結羽はその紙片を指で押さえ、うなずく。次は“頼まれたから”ではなく、“私が望むから”。
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