一億円で黙れと言われた妻は、夫を奪った会社の社長になった
三夜間まど
現実世界現代ドラマ
2026年10月03日
公開日
2,557字
連載中
結婚式を終え、湊と新居へ向かっていた真帆。
その帰り道、頭上から落ちてきた鉄骨から彼女を庇い、湊は命を落とした。
夫の葬儀を終えたばかりの真帆のもとに、事故を起こした九段建設の社長・九段直哉が現れる。
彼は一億円の札束を持参し、事故について二度と口にしないよう真帆に迫った。
真帆は金を受け取らない。
代わりに、九段建設で働かせてほしいと願い出る。
直哉は、入社を認める代わりに二つの条件を突きつけた。
「一億円は書類上受け取ったことにする。今後、社内外で事故のことには触れない」
真帆は事故の真実を知るため、この条件を呑み、会社に入社する――だが、待っていたのは仕事ではなく、仕切り板に囲まれた机と、社員たちの冷たい視線だった。
それでも真帆は、社員たちの困りごとに手を差し伸べていく。少しずつ生まれたつながりが、やがて会社の隠してきた事故の真相へと彼女を導いていく。
これは、絶望の底から立ち上がった妻が、やがて社長となり、人を信じられる場所を築いていく物語。