身代わりの正体はまさかの私自身!?叔父に散々傷つけられて捨てられた私が、今度は彼の甥である財閥御曹司の花嫁になりました
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恋愛現代恋愛
2026年11月05日
公開日
2.4万字
連載中
十九歳の誕生日。祝栞は一人、博多湾岸のホテル最上階にあるレストランで、深夜まで待ち続けていた。
彼女のもとに届いたのは、二通のメッセージだった。
「槙島泱が目を覚ました。今夜は彼女に付き添う」
「お前はただの身代わりだ。自分の立場をわきまえろ」
祝栞は俯き、一口だけ口をつけたジュースの中に涙を落とした。
後になって、彼女は知ることになる。あのジュースには薬が盛られていたことを。
解毒剤はなく、誰かと身体を重ねるか、死を待つしかなかった。
追い詰められた彼女は、たった二度しか会ったことのない男性に電話をかけた。
エレベーターの中で彼女に三度も話を遮られながら、それでも最後まで一文を言い切った、あの男性に。
彼は彼女をホテルへ連れて行き、一室と朝食、そして一枚のメモを用意してくれた。
翌日には、街中から見えるほどの花火とドローンの光のショーまで贈ってくれた。
夜空には、こんなメッセージが浮かび上がった。
「祝栞さん、お誕生日おめでとう。これから先も、毎年毎年、すべてが幸せでありますように」
彼女は、それがすべてだと思っていた。
知らなかったのだ。自分を振った元彼が、親族の集まりで彼女を床に跪かせて靴を拭かせ、汚れたティッシュを目の前に突きつけて、「これを食べるか、それとも誰かに食べさせてもらうか」と迫っていたことを。彼女の携帯電話を踏み壊し、海外へ行く道を断ち、皆の前で冷たく「自分の立場をわきまえろ」と言い放っていたことも。
そして、彼女を何度も辱めたのは、そのすべてが別の誰かに見せるための芝居だったことも。
一方、彼女は少しずつ、エレベーターの中で三度も言葉を遮られたあの男性の胸へと身を委ねていく。
――彼は言った。
「薔薇には花の季節がある。けれど、君への愛に期限はない」