あらすじ
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十九歳の誕生日。祝栞は一人、博多湾岸のホテル最上階にあるレストランで、深夜まで待ち続けていた。 彼女のもとに届いたのは、二通のメッセージだった。 「槙島泱が目を覚ました。今夜は彼女に付き添う」 「お前はただの身代わりだ。自分の立場をわきまえろ」 祝栞は俯き、一口だけ口をつけたジュースの中に涙を落とした。 後になって、彼女は知ることになる。あのジュースには薬が盛られていたことを。 解毒剤はなく、誰かと身体を重ねるか、死を待つしかなかった。 追い詰められた彼女は、たった二度しか会ったことのない男性に電話をかけた。 エレベーターの中で彼女に三度も話を遮られながら、それでも最後まで一文を言い切った、あの男性に。 彼は彼女をホテルへ連れて行き、一室と朝食、そして一枚のメモを用意してくれた。 翌日には、街中から見えるほどの花火とドローンの光のショーまで贈ってくれた。 夜空には、こんなメッセージが浮かび上がった。 「祝栞さん、お誕生日おめでとう。これから先も、毎年毎年、すべてが幸せでありますように」 彼女は、それがすべてだと思っていた。 知らなかったのだ。自分を振った元彼が、親族の集まりで彼女を床に跪かせて靴を拭かせ、汚れたティッシュを目の前に突きつけて、「これを食べるか、それとも誰かに食べさせてもらうか」と迫っていたことを。彼女の携帯電話を踏み壊し、海外へ行く道を断ち、皆の前で冷たく「自分の立場をわきまえろ」と言い放っていたことも。 そして、彼女を何度も辱めたのは、そのすべてが別の誰かに見せるための芝居だったことも。 一方、彼女は少しずつ、エレベーターの中で三度も言葉を遮られたあの男性の胸へと身を委ねていく。 ――彼は言った。 「薔薇には花の季節がある。けれど、君への愛に期限はない」閉じる
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創意工夫ありし者創意工夫ありし者2026-11-05 18:59ネオ・デビューネオ・デビュー2026-11-05 18:58作者のひとりごと作者のひとりごと
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