遊女として終わるはずだった私が、名家の正妻になった!?
完結済·新着更新:第16話·2025年06月04日 14:14
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あらすじ
詳細
戦が終わったあと、遊女たちは遊郭に売られぬよう、必死で武士に縋って家へ連れ帰ってもらおうとしていた。 無口で浅黒い肌の足軽大将が私を迎えに来た時、遊女の屯所に残っていたのは、病に伏せる老女と私だけだった。 彼女は笑いながら言った。 「紅葉、誰かが連れて行ってくれるなら、行っときな。まさかまだ待ってるの? あの輝かしい、明華内親王を娶るという雾島少将様を?」 私は「考えるわ」とだけ答えた。 その夜、霧島清次が私を床に押し倒した。 顎をきつく掴んで、無理やり顔を上げさせる。 「俺が明華内親王と結婚することに……妬いてるのか?」 そう言って、鼻で笑った。 「相変わらず、気が強いな。 けどな——明華内親王と夫婦になっても、お前との関係は何も変わらない。郊外で屋敷を買った。そこに居てろ」 ……彼は、一度も、昼間に誰かが私を迎えに来たことを訊ねなかった。 まるで、私が誰の手も取らぬと信じきっているようだった。 けれど彼は知らない。私はもう—— 北条信堅という名の大将と、約束を交わしていたことを。 霧島清次が明華内親王と祝言を挙げるその日が、 私たちの結婚式の日でもあるということを。 閉じる
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創意工夫ありし者創意工夫ありし者2025-06-04 14:14ネオ・デビューネオ・デビュー2025-06-04 14:10作者のひとりごと作者のひとりごと
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