あらすじ
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結婚して十年。 水無月琴美は、自分と京也は誰もが羨む理想の夫婦だと思っていた。 ――あの交通事故が起きるまでは。 目を覚ました彼は、琴美を見るなり、まるで知らない人を見るような目をした。 「水無月さん……僕たち、離婚しましょう」 冷たい声。 まるで仕事の話をしているかのような口調だった。 琴美が夫の記憶喪失という現実を受け止めきれないうちに―― 今度は、彼とまったく同じ顔をした少年が家の前に現れた。 若い頃の京也と同じ顔。 記憶を失った夫と、時を越えてやって来た少年。 琴美は、二人の間で翻弄されることになった。 食卓では、夫は礼儀正しく琴美を「あなた」と呼ぶ。 けれど少年は、深夜になると彼女の部屋の扉を叩く。 夫は離婚届を差し出す。 その一方で少年は琴美の前に立ち、真っ直ぐ言った。 「彼女は、僕の大切な人です」 琴美は思っていた。 これが、すべての地獄なのだと。 ――そう思っていた。 すべての嘘が明らかになる、その瞬間までは。 琴美は思った。 彼はきっと、自分を憎むだろうと。 けれど彼は、彼女を強く抱きしめた。 震える声で囁く。 「君は……ずっと一人で全部背負ってきたんだね」 「辛かったよね」 「本当に、よく頑張った」 彼は言った。 「離婚なんてしない」 「絶対に、君を手放さない」 でも―― 琴美には、もう分からなかった。 自分が信じるべきなのは、一体どちらの京也なのか。閉じる
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創意工夫ありし者創意工夫ありし者2026-07-31 19:26ネオ・デビューネオ・デビュー2026-07-31 19:25作者のひとりごと作者のひとりごと
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死に戻った私はクズ男を妹に譲った――後悔しても遅い。今の私は、冷徹な先輩との恋に夢中です
死に戻った私はクズ男を妹に譲った――後悔しても遅い。今の私は、冷徹な先輩との恋に夢中です私は佐藤真由美。 高橋正人と結婚したあの日、私はようやく“帰る場所”を手に入れたと思っていた。 けれど結婚三年目。 私は毎朝五時に起きて、家族全員の朝食を作った。 深夜零時を過ぎても、彼の妹・優香が脱ぎ捨てた服を洗っていた。 彼は出張に私を連れて行ったことなんて一度もない。 それなのに、優香とは箱根の温泉旅行へ行った。 結婚指輪だってそうだった。 近所の奥さんに言われて、ようやく思い出したように買ってきた安物のシルバーリング。 優香がそれを奪うように指にはめても、彼はただ一言。 「気に入ったなら、あげるよ」 そう言って、返してくれなかった。 そして――あの日。 暴走した車が横断歩道へ突っ込んできた。 その瞬間、彼が反射的に抱きしめて守ったのは、優香だった。 私は跳ね飛ばされ、血の海の中に倒れた。 目の前で彼は優香を抱きしめ、背中を撫でながら繰り返していた。 「大丈夫だ、大丈夫だから」 でも最後まで―― 一度も私を振り返らなかった。 病院のベッドで迎えたあの夜。 私はようやく気づいた。 この結婚で、私だけが家族だと思っていたのだと。 私は婚姻届を書き直した。 配偶者欄に記した名前は――優香。 そして私は荷物をまとめ、一人で東京へ向かった。 彼は知らなかった。 彼がようやく焦り、必死に私を探し始めた頃。 私はもう、新しい人に出会っていた。 深夜まで一緒に宿題を見てくれる人。 寒い日に、自分のコートを私にかけてくれる人。 大晦日の花火の下で、真っ直ぐに言ってくれた人。 「好きです」 周囲はみんな言う。 「あの人って、かっこよくて冷たいことで有名だよね」 ……え? 冷たい? どうして? 私には、全然そうは見えないんだけど。
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