あらすじ
詳細
穂乃香と硯司の結婚は、家族に決められた顔合わせから始まった。 婚姻届を提出した翌日、穂乃香は瀬戸内海へ向かい、硯司は病院での勤務に戻った。 そして一か月後――。 診察室で再会した彼女は、目の前にいる産婦人科医が自分の夫だとは気づかなかった。 それどころか、彼の行動を誤解し、危うくセクハラとして訴えるところだった。 しかし硯司は怒ることもなく、ただ左手の指輪を見せた。 「……僕のこと、本当に覚えてない?」 その日から、彼は少しずつ彼女の生活に入り込んでいった。 毎朝朝食を作る。 仕事場には大切な作品を守るための防湿キャビネットを設置する。 家の鍵には、彼女の指紋を登録する。 穂乃香が彼をモデルに漫画を描けば、硯司は真剣な顔で白衣の皺や手首の角度まで確認した。 原稿を盗まれた時、彼は迷わずスマートフォンを差し出した。 「パスコードはない。好きなだけ確認して」 彼女が火傷を負った時には、仕事を休んで病室へ駆けつける。 そして、彼女の手を握りながら静かに告げた。 「もう二度と、一人であの人に会わせない」 最初は名前だけの夫婦だった。 けれど、いつしか彼は、誰よりも頼れる存在になっていた。 そして妊娠を知った日。 いつも冷静な彼が、初めて戸惑った顔を見せる。 「……嬉しい」 知らない人から、大切な人へ。 形式だけの結婚から、本当の家族へ。 二人の関係は、少しずつ「夫婦」になっていった。閉じる
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創意工夫ありし者創意工夫ありし者2026-08-11 14:30ネオ・デビューネオ・デビュー2026-08-11 14:30作者のひとりごと作者のひとりごと
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